そんな中条の知名度が急上昇したのが、13年7月に放送された月9ドラマ「SUMMER NUDE」(フジテレビ系)だ。
「この時はまだ、仕事のたびに出身地の大阪から東京に新幹線で通っていました。役柄は主演の山下智久が働く写真館の同僚。存在そのものが『青春』を感じさせる明るくて爽やかな役柄もあり、視聴者から『あの美少女は誰?』と話題になりました。それがきっかけか男性誌にも登場。キャミソール姿で、谷間やワキの下をチラ見せするなど、ちょっぴりセクシーなグラビアにも挑戦しています」(女性誌記者)
翌14年に公開された「劇場版 零~ゼロ~」(KADOKAWA)では、映画初出演ながら主演に大抜擢。さらに16年には、新進気鋭の俳優ばかりが出演した映画「ライチ☆光クラブ」(日活)や「セトウツミ」(ブロードメディア・スタジオ)でも、ヒロインを務めた。映画ライターが当時を振り返る。
「『ライチ☆光クラブ』では野村周平、『セトウツミ』では池松壮亮や菅田将暉と共演。普通の若手女優なら押しつぶされてしまいそうな布陣ですが、彼女はそうしたクセのある俳優に囲まれても透明感と美貌が映える。現在、活躍している若手女優の中でも、稀有な存在と言えますね」
女優としても活動するようになって、2~3年でヒロイン役を次々に射止める魅力とは何なのか。映画ライターが続ける。
「ズバリ演技力でしょう。特に泣くシーンはピカイチです。彼女の目は二重で大きいんですが、そこからあふれるように涙をこぼす。笑顔の時は口を大きく開けて本当に楽しそうに笑うから、そのギャップ感はまさに女王級。ふとした時に見せる悲しい表情など、見る側がどんどん引き込まれていくんです」
その演技力を評価されてか、近年の主演映画では「病気と闘う役」が多い。
「『3D彼女 リアルガール』(18年、ワーナー・ブラザース映画)はコメディ的な作品ですが、実は脳に病気を抱えているという役ですし、『雪の華』(19年、同)は余命1年を宣告された女性の恋愛物語。相手役の登坂広臣と1カ月限定で恋人になり、ラストは見ると幸運になれるという赤いオーロラをバックにキスを交わすのですが、映画館では、すすり泣く声があちこちから聞こえてきました」(映画ライター)
現在公開中の映画「水上のフライト」(KADOKAWA)でも、事故で下半身マヒになり、カヌーの世界を目指す女性という難しい役どころを熱演している。
「東京パラリンピックのカヌー女子に出場が内定している選手から指導を受けたそうです。もともと運動神経がいいのか、なんと1日目で競技用カヌーをひっくり返さずに乗った。これは芸能界では武井壮以来の快挙なんだとか(笑)」(映画ライター)