9月末に投開票された大阪府堺市長選で、推薦候補が敗北を喫した「日本維新の会」にまたもや火種が生じている。今度は東国原英夫氏(56)が「都構想撤回」と「宮崎県知事選再出馬」に意欲を示していると報じられたのだ。そこで緊急直撃すると‥‥。
問題発言は、10月5日放送の「たかじん胸いっぱい」(関西テレビ系)での発言だった。番組に出演した東国原氏は、堺市長選敗北の総括から都構想の見直しに話題が進み、
「そうしましょうか? 都構想やめちゃいましょうか」
と、半ば諦め顔で語ったのだ。
さらに番組放送から1週間後の12日の地元紙には、「宮崎県知事選再出馬に意欲」と再来年1月で任期が切れる宮崎県知事への再登板が取りざたされ、にわかに東国原氏の周辺が騒がしくなっているのだ。
政治部記者が語る。
「東国原氏は、維新の会の橋下氏との蜜月関係がきっかけで党に参加した経緯がある。ところが、6月の橋下氏の従軍慰安婦の発言をキッカケに、党内での求心力が大きく低下。党内はゴタゴタした状態が続いている。そこで後ろ盾を失った東国原氏は、国政に見切りをつけて、再び首長に戻るのではないかと見られているんです」
そこで、東国原氏にコトの真相を尋ねると、宮崎県知事再出馬について、公の席で発言したことは“事実”と認めつつも、真意をこう説明した。
「県民の皆様、県の関係者や県内の友人、知人、支援者の方々と意見交換をさせていただいていることは事実です。地方の活性化だとか宮崎の現状だとか地方の疲弊だとか、地域経済の問題点だとかそういったことについて、平素よりお話をさせていただいてます。その中で、『ちょっと宮崎が盛り上がっていない』『元気がない』ということで『もう一回、やってくれないか』という意見や要望等があることも事実です。また雑談の中で、『もう一回やってよ』なんていう笑い話の中で、半分冗談で私が『わかりました』と明るくリアクションするケースはあります。そういった意見が恐らく関係者を通じてマスコミの報道につながったんではないかなと推察しております。あくまで日常会話レベルのお話で、次の県知事選に立候補等を検討しているという事実はございません」
さらに、都構想の見直しについても「あくまで番組上のリップサービス」というスタンスを崩さない。
「都構想の見直しというお話も、まったくございません。大阪都構想は確実に粛々と進めていかなければいけないと思っています」
と、今までどおりに維新の会所属の国会議員として職務を全うする発言に終始した。
だが、今回の一連の発言には、東国原氏一流の“ポジショントーク”という話もある。大阪在住のジャーナリストの吉富有治氏が語る。
「東国原氏が再び県知事に鞍替えの意向があるとするならば、今の維新の会に対し、距離を置こうとしているんじゃないでしょうか。宮崎県知事の時は都道府県のトップで、脚光を浴びていました。今は国会議員とはいえ、大臣じゃないので脚光は浴びません。本来、東国原氏は国会議員ですから、大阪都構想と直接は関係ないです。大阪都構想を進めないといけないのは大阪府議会、大阪市議会の大阪維新の会の議員ですから‥‥」
このまま空中分解か。