競馬の神様と呼ばれた大川慶次郎氏の愛弟子で、競馬評論家の能勢俊介氏の目にはどう映っているのか。
「中央競馬の感覚で見れば、明らかに馬券ごとのオッズのバランスが崩れていますね。この要因の一つは、売上額が大きく違うためだと思います。地方競馬のオッズの人気度は、馬券の種類ごとに違うんだということを意識して購入することが大切だと思います」
地方競馬に違和感を覚えるのは、中央競馬ファンばかりではない。地方競馬のイベントを担当した関係者も嘆く。
「中央競馬のGI予想で定評のあるタレントや人気馬券師を予想イベントに起用しても、『もう二度と呼ばないで』なんて言われたことがありますよ。理由を聞くと『展開がまったく想定できない。前に行くはずの馬が待機したり、馬柱を見ても何の役にも立たない』とか、中には『(レース展開が)八百長みたいでおもしろくない』と吐き捨てた方もいましたよ」
地方競馬の専門紙トラックマンが補足する。
「基本的に先行馬が有利。直線が300メートル以下の小回りコースが多い地方競馬じゃ、馬券攻略で最も大切なファクターです。『逃げ馬と先行馬がわかれば、当たったも同然』なんて言われるぐらいです。ところが、中3日で出馬するケースもあれば、馬の体調やらでコロコロと作戦が変わる。中央競馬と同じ感覚で馬券を買っていれば、ヤケドしますよ。コインで楽しむのが地方競馬でしょう(苦笑)」
最後に、ベテランのスポーツ紙人気記者がこう話す。
「私は地方競馬の馬券を買いません。例えば、馬の能力や調子を測る調教タイム。全てを正確に取れているとは思えない。満足な照明設備のないところで真夜中から行い、同じ調教ゼッケンの馬が走ったり‥‥(苦笑)。さらにパトロールビデオの一般公開もしていない。それでは人も集まらないでしょう」
金沢競馬は「八百長疑惑」と真摯に向き合うべきだろう。