「勝つ、勝つ、勝つ!」─。これは、巨人と中日ドラゴンズが69勝60敗の同率首位で並び、この試合に勝てばセ・リーグ優勝が決まるという「巨人‐中日」最終戦が行われた1994年の10月8日の試合前のミーティング時に当時の長嶋茂雄監督が巨人ナインに向けて放った言葉である。この試合は、「10.8決戦」と言われ、視聴率は48.8%を記録する国民的行事となったものだ。
テレビ東京が運営するYouTubeのスポーツチャンネル〈テレビ東京スポーツ〉、昨年10月10日投稿回に、当時巨人の打撃コーチを務めていた中畑清氏が出演し、この長嶋監督の言葉によりガチガチの緊張が解け、どこか運動会にでも参加するようなリラックスした状態で臨めたのだと振り返っていた。
そんな「魔法の言葉」を巡り、巨人のYouTubeチャンネル〈読売ジャイアンツ〉では、3月2日の東京ドームのキャンプに長嶋茂雄終身名誉監督がチームの激励に訪れた模様を投稿しており、長嶋氏がこの魔法の言葉をふたたび巨人ナインにかけている。
3月4日に〈長嶋茂雄終身名誉監督がチームを激励!〉とタイトルが付けられた投稿された回を観てみると、ナインを前にした長嶋氏は原辰徳監督、宮本和知投手チーフコーチを両脇にしたがえ、「選手のみなさん、ご苦労様です。今年はいいね。勝つ勝つ勝つ!」とエールを送った。
これを受け、キャプテンの坂本勇人は「今年こそは必ず日本一になって、長嶋終身名誉監督にいい報告ができるように選手一同頑張っていきます」、選手会長の菅野智之は「去年はピッチャーが日本シリーズで打たれてしまったので、自分が先頭を切って必ず日本一に導きたい」と日本一奪還を誓ったのだった。
〈ミスターも御年85歳。元気なうちに何としてでも日本一に!!〉といった日本一を切に願う視聴者のコメントも散見された。今年は、ミスターの「魔法」にかかった巨人ナインの活躍を信じたい。
(ユーチューブライター・所ひで)