「龍虎相うつ」とは、古来より、「龍」と「虎」のライバル同士が激突することを言うが、ライブ相撲マンガ「白鵬本紀」第17番は、「龍」と「狼」の一番である。白鵬が語る。
「龍皇は、私の恩人です。来日して右も左もわからない私に、日本語から日常生活まで、いろいろ教えていただきました。妻以上になんでも相談できる心強い兄弟子でした。私が三段目に上がる頃から、二人で深夜まで稽古してました。もうやめろと親方に言われるまで続けてましたね」
「龍」こと龍皇は、通称サンチル。白鵬と同じモンゴル・ウランバートル出身で白鵬の1年先輩である。龍皇は、彼の姉と親交のある旭鷲山から、宮城野部屋を紹介されている。ウランバートルの高校を中退して、1999年10月に来日し、2000年三月場所で初土俵を踏んだ。06年七月場所で新十両へ昇進し、07年五月場所新入幕。最高位は西前頭8枚目だ。
一方の「やせ狼」が白鵬だ。17番の物語は、02年、東三段目98枚目で迎えた三月春場所で6勝1敗の好成績をあげた白鵬が、五月夏場所では、東三段目38枚目まで駆け上がっていたシーンから急展開する。
この弟弟子の躍進に「はらわたが煮えくり返っている」男がいたのである。それが、前述の龍皇である。その時、龍皇は三段目52枚目。龍皇は、1年後輩の白鵬に番付で抜かされていたのである…。
番付社会の宿命を背負い、その悔しさを白鵬にぶつける龍皇。「ケンカ稽古」の始まりである。同時進行相撲マンガ「白鵬本紀」第17番「龍と狼のケンカ稽古」は、8月31日発売の「週刊アサヒ芸能」9月9日号に掲載。最大のライバルはすぐそこにいた!はっけよい!!