女優の深津絵里(48)に「第2絶頂期」が訪れようとしている。放送中のNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の12月22日放送回で、実に13年ぶりの連ドラ出演を果たしたのだ。この間、映画や舞台を中心に活動しており、深津をテレビで見る機会が少なくなって久しい。それでも時折、CMで透明感のある店員役などで登場すると、つい目を奪われるほど存在感を放つ女優と言ってもいいだろう。
ドラマや映画への出演が減っていた深津が、満を持して登場したNHK朝ドラの第105作「カムカムエヴリバディ」は11月1日にスタート。「NHKラジオ英語講座」を題材に、朝ドラ史上初の3人のヒロインが昭和、平成、令和とバトンをつなぐ3世代100年の家族物語だ。上白石萌音が祖母の安子、深津絵里が母のるい、川栄李奈が娘のひなたを演じる。
上白石が「安子編」としてヒロインを好演してきたが、深津が2代目ヒロインとして今後、躍動することになる。テレビ誌記者が説明する。
「深津演じるるいの物語は、昭和30年代の大阪からスタートします。生き別れた母親の安子を憎みながら、自らジャズで道を切り開いていくストーリーになっているそうです。母親に対するトラウマを抱えながら逞しく自立していく青年期から、自分も子供を産み母親になるという幅広い演技を展開しなければならないので、かなり難しい役になるでしょう」
とはいえ、近年、演技派女優の深津が出演した映画の役柄には、“存在感のある妻”という共通点がある。「岸辺の旅」(15年)では、失踪していた夫(浅野忠信)が突如現れ、「自分は死んだ」と告白。そんな夫を受け入れ、一緒に旅をする妻を好演した。「永い言い訳」(16年)では、作家の夫(本木雅弘)を支え続けてきたものの、屈折した思いを抱いて、冬の湖でバスの事故に遭い亡くなる妻を好演した。
「今年、芸能生活35周年を迎える深津の連ドラ主演は実に13年ぶり。しかも仕事は年に1、2本と厳選。近年はCMだけのこともある。深津自身は、とにかくプライベートを出すのが嫌いで、ドラマはよくても番宣などに出るのがイヤなようです。かえってドラマや映画に登場しないことで、五十路間近になっても初々しい姿を披露するあたりが、天性の女優たるゆえんでしょう」(テレビ誌記者)
シリアスな作品からコメディまで、役の振れ幅が広いさまざまな妻を、重層的に演じてきた深津。難しい役柄とされる「カムカムエヴリバディ」のるい役にも、期待が持てそうだ。