昨年の東京五輪で野球日本代表を金メダルに導いた稲葉篤紀監督(当時=現在は北海道日本ハムファイターズのGMに就任)が、YouTubeチャンネル〈日本プロ野球名球会チャンネル〉に出演(昨年12月30日付け投稿回)。同動画で「五輪で野球復活のタイミングで、自国開催。非常に注目度が高かったので、これは勝たなければいけない」と振り返っているが、やはり相当なプレッシャーの中で覚悟して迎えたようだ。
確かに、オープニングラウンドの初戦「ドミニカ共和国戦」からヒヤヒヤものだった。「1対3」で迎えた9回裏、後が無い状態で相手がベースカバーを忘れるミス…これを日本が逃さず、一気に3点を獲り、まるでドラマのような逆転劇を迎えたのだが、稲葉氏は、「あれが無かったら、ひょっとしたら負けてたかもしれない」と、率直に当時の心境を吐露。
さらに、「外国人審判の対応策」を動画のMCから問われると、稲葉氏は、「審判とは仲良くなれとずっとキャッチャーに言ってました」と振り返った。審判の判定に不服があっても、言葉や態度には絶対に出さないよう各選手に徹底。あきらかに判定ミスをされても、ベンチに戻ってきた選手には「わかってるから大丈夫!」と声を掛けていたそうだ。
同じく出演していた、2013年の「ワールド・ベースボール・クラシック」で日本代表監督を務めた山本浩二氏も、「審判ってもちろん両立(中立)なんだけど、何か(陰で)言われてるなって感じがすると、やっぱ人間だからいろいろあるじゃない?」とMCに同調を促し、「だから、仲よくなれば大正解だよな」と稲葉氏を労った。
難しい国際試合を知る両氏からその意外にも思えるシンプルな克服法が明かされ、実に貴重な話であった。
(ユーチューブライター・所ひで)