男女のボタンの掛け違いが、時に言葉だけではなく暴力にまで発展することも──。文字通りの修羅場をレポートしよう。
浮世離れした芸能界においても、不思議な夫婦関係を自他ともに認めたのは内田裕也(享年79)&樹木希林(享年75)夫妻だろう。73年に結婚も、18年9月に樹木が逝去するまで、ほぼほぼ別居で夫婦関係を続けた。別居に至ったのは、内田のDVだったという。
「樹木さんはDVがあっても一度も離婚はしませんでした。そればかりか、別居していても内田さんが金銭面で困っていたら助ける。モックンと共同でハワイのコンドミニアムまで買ってあげましたからね。意地でも離婚しなかったのは『帰ってくるのは私のところ』という思いがあったのでしょう」(城下氏)
一方、樹木の目の届かぬところで、内田のDVは愛人にまで及んだ。
「横浜で島田陽子さん(68)と住んでいた家でもDVをしていたんですよね。『助けてください!』って2階の窓から逃げて、屋根の上で騒いでいる彼女を近所の人が見つけてね。島田さんは、内田さんの都知事選の資金まで用意させられたんですから」(石川氏)
20年以上の時を経てかつての恋人から、若気の至りでは済まない壮絶DVを告白された玉置浩二(63)。85年に石原真理子(58)との不倫愛が発覚したが、翌86年に破局。06年に石原が発売した著書「ふぞろいな秘密」(双葉社)で、当時の玉置の暴力癖などが暴露された。
86年2月に石原が自宅マンションで転んで腰を打ち、救急車で運ばれたと説明された腰椎骨折での入院が、実は玉置による殴る蹴るの常軌を逸したDVが原因だったと明かされたのだ。
にもかかわらず、09年に23年ぶりの再会を果たした2人は復縁。わずか半年で再び破局はするものの、「暴力支配」の洗脳持続力を印象づけた。
そんな石原も途中参戦したのが02年、水沢アキ(67)が告発した森本レオ(79)からの「レイプ被害」だった。
当時、森本が自身の娘よりも若い20代の画家志望女性との不倫疑惑に対し「異文化交流みたいなもんでしょ」と開き直ったところから、水沢が“思い出し怒り”のように噛みついた。17歳の時に演技指導と称して森本の自宅に呼び出されてレイプされ、処女を喪失したと告白。森本が合意の上だったと主張する中、石原も17歳の時に同様の手口でバージンを奪われた上、避妊もせずに行為の実況中継までされたとその悪質ぶりをあけすけに語ったのだ。
南野陽子(54)もまた、浮気とDV疑惑に苦しめられたとされてきた。その相手は石井竜也(62)=当時はカールスモーキー石井=だ。94年に交際が発覚するも、95年に南野が石井の自宅マンションで別の女性と鉢合わせとなって破局。その後、石井はその鉢合わせ女性である元CAと電撃婚している。張本氏が嘆く。
「『スケバン刑事』はなんでこうも男運が悪いのか。初代の斉藤由貴は話題になった交際が全て不倫。そして2代目の南野も、当時の報道では石井のDVが原因で破局とある。石井との破局から16年後に実業家と結婚しますが、その夫には常に巨額の金銭トラブルや女性問題が付きまとっています。ファンとしては『おまんら許さんぜよ!』とブチ切れて離婚してほしいのですが、いつまで経っても『ナンノこれしきっ!』という態度で煮え切らないんですよ」
特異な例としては、仕事のみならず私生活までマネージャーから暴力で管理されていると明かした沢田亜矢子(73)のケースがあった。95年に自身の担当マネージャー、ゴージャス松野(60)=当時は松野行秀=と結婚したが、97年頃から約4年に及ぶドロ沼離婚劇を繰り広げ、DV疑惑も報じられた。爪で皮をえぐられ、軟骨部分を絞り上げられたこともあったというが、石川氏が振り返る。
「離婚して沢田さんが出て行った後、松野さんの自宅に取材に行ったんですよ。彼が料理をしてくれるという話で、一緒にスーパーに買い物に行きました。ついでに犬を散歩させるとなったんだけど、犬がおびえて動かない。散歩に連れていっても喜ばないんで、いじめられてるんじゃないかと思ってしまいました。沢田さんと生活していた部屋にカメラをセットしたのは自分じゃないなんて話しながら、出してくれたのは前日のカレー。もう、食べるのが嫌だったなぁ」
01年に協議離婚が成立。松野はホスト、AV男優などを経て現在はプロレスラーとしても活躍しているが、いつまでもバトルが性に合っているのかもしれない。