「充電が切れる!」
携帯電話を持ちながら、そう言って焦っているビジネスマンなどに遭遇したことはないだろうか。いや、あなた自身がそんな経験を持っているかもしれない。
ではどうするか。通常は電池式などの持ち歩き可能な充電器やバッテリーにつなぐか、あるいはコンセントが使える喫茶店などに入るか、と考える。
実は今、画期的なスマホ充電方法が発見されたという。それが「土で充電」である。そんなバカな、と誰もが思うことだろう。植物の光合成で作られる糖分を土の中の微生物が分解する際に発生する電気を利用する──。簡単に言うと、そういう仕組みらしい。
昨年12月、都内ホテルのクリスマスツリーには、きらびやかな電飾が輝いていた。数千ものLED電球から成るその電飾の電源はというと、なんと土の中に!
「これは土に2種類の金属を差し込んで電子の流れを作る、というものでした。同様に、植物を使ったヘアケア製品を開発する企業などが、植物と土による発電、充電を体験できるスポットを作っています」(科学ライター)
この方法により、1時間でスマホ容量の約20%の充電が可能になるというから、驚きである。
問題は、急な充電を要する携帯電話に「土と植物」が直ちに実用的ではない点。オシャレで小型で持ち運び便利な植木風充電器は、果たして日の目を見るのか。あるいは手近な花壇を発見して、急場をしのぐことができるのか。
「土で充電」研究の先行きに注目である。