5月1日から携帯電話の「SIMロック解除の義務化」がはじまった。SIMロックとは携帯電話事業社(キャリア)が販売した端末を他のキャリアの回線サービスで利用できないよう、通信制限をかける仕組みのことで、このおかげで契約購入した端末は、そのキャリアの回線でしか利用できないといった“縛り”が生じていた。これではキャリアを変更する度に、ユーザーは変更先の端末を新たに購入する必要があり、金銭的にも大きな負担になっていたのだ。
しかし、今回のSIMロック解除義務化により、今後は持ち主が希望すればこのロックを“原則解除”できるようになった。これにより、ユーザーはロック解除した端末をそのまま他キャリアの契約回線で使用できるようになった。
この制度のスタートで改めて注目を集めているのが「格安SIM」。月々の料金が割安に抑えられると評判のSIMだが、今後はSIMロック解除した端末でも使えるため(一部機種除く)、新たに高い端末代を払わずに済むとキャリア移行を検討する人が増えているという。
格安SIMについては「MMDLabo」の調査でも「知っており、詳しく説明ができる」という回答が20.1%、「知っているが、あまり説明はできない」という回答が38.0%、「知っているが、内容は知らない」という回答は32.2%と、合わせて9割の人が「知っている」「聞いたことはある」と答えている。
ところが、実際に利用している人となるとわずか1割程度。これは意外な結果だ。
では、なぜ人々は格安SIMに乗り換えないのか。その理由で最も多いのが「今の携帯会社の方が安心だから」という初心者たちの不安。また、携帯電話に詳しいヘビーユーザーたちからは、ダウンロード速度の低下も懸念されている。
例えばトラフィックが集中すると言われる12時~13時の時間帯では、顕著に主要通信キャリアSIMと格安SIMでダウンロード平均スピードに差が出ている。実際、MMDLaboの調べではdocomo、au、SoftBankの3キャリアの平均が27.6Mbpsだったのに対し、調査対象格安SIM全体の平均は1.8Mbpsと速度低下が見られたというのだ。
しかし、こうした不安に応えながらも、しっかり料金も抑えられる、そんな第三の選択肢もある。それが、一部の主要キャリアから販売されている“プリペイド式携帯スマホ”だ。
プリペイド式携帯スマホは、外出先でのメールやSNSを見る程度で通話はほとんどせず、着信のみで出費は極力抑えたいという人にとっては便利なサービス。通信面で確かな主要キャリアが取り扱っているのも安心だ。
たとえばソフトバンクのプリペイド式携帯スマホの場合、基本使用料無料で使いたい分の料金をチャージする前払い制。料金プランは2日プラン(900円)、7日プラン(2700円)、30日プラン(3980円)の3つだけで、1カ月使っても主要キャリアの料金と比べて格段に安いのがわかるだろう。
もちろん通信網はソフトバンクの4G回線を使うので、格安SIMのようにダウンロード速度が大幅に減退することもない。サポートも街のソフトバンクショップが対応してくれるので、買った後も安心だ。
主要キャリアと格安キャリアのイイトコどりとも言えるプリペイド式携帯スマホ。SIMロック解除とともに、一考の余地があるかもしれない。
【参考】「格安スマホに関する意識調査」
https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1419.html
【参考】「2015年4月格安スマホ通信速度調査」