今週から新馬戦がスタートする。今年、産駒をデビューさせる新種牡馬は40頭以上いるが、その中から有力種牡馬をチョイス。どのような特徴を持っているか、検証していくことにしよう。まずは、国内で活躍した種牡馬からだ。
産駒数が多いのはサトノクラウン、リアルスティール、サトノダイヤモンドの3頭。それぞれ128、115、97頭を数える。期待の大きさの表れと言っていいだろう。
サトノクラウンは古馬になって香港ヴァース、宝塚記念を制覇した、Marjuの持ち込み馬。非主流のノーザンダンサー系種牡馬で、サンデーの血を一滴も持たないのが大きな特徴だ。そのため、配合相手を選ばない。
欧州色が強く芝向きだが、母系に複数のミスタープロスペクターを含んでいるので、ダート向きの馬も出てくるだろう。仕上がりは早く、距離も配合によっては2400メートルも大丈夫。6月5日(日)の東京・芝1400メートルの新馬に、クラックオブドーン(牡、美浦・中館厩舎)が出走予定だ。
リアルスティールのGI勝利はドバイターフだけだが、全妹ラヴズオンリーユーの大活躍もあり、注目度は高い。ディープインパクト×母父ストームキャットはキズナと同配合で、今、日本で最もトレンドとなる組み合わせ。そのため、同じディープ産駒のサトノダイヤモンドよりも人気がある。
芝向きだが、キズナ産駒が全くダートを苦にしないように、ダートを得意とする馬も出てくるだろう。仕上がり早で、スプリンターからステイヤーまで、幅広い範囲で活躍馬が出そうだ。6月18日(土)の阪神・芝1600メートルの新馬に、ガルヴァナイズ(牡、栗東・友道厩舎)が出走予定。
サトノダイヤモンドは菊花賞と有馬記念を制した名馬。馬格の良さではディープの後継馬中随一で、産駒の見栄えもいい。そのため、2年目以降も140頭前後の牝馬に種付けを行っている。
アルゼンチン牝系らしく仕上がりは早く、3歳までには完成する。その反面、古馬になってからの成長力はあまり期待できないだろう。
距離は2000メートル前後がベスト。第4回中京・6月4日(土)の中京・芝1600メートルの新馬に、ダイヤモンドハンズ(牡、栗東・池江厩舎)が出走予定だ。
最後に、楽しみなスプリンター系種牡馬を一頭挙げておこう。16、17年と、2年連続スプリンターズSを勝利したレッドファルクスだ。産駒数80頭の中から、必ず快速馬が出てくるとみている。
(兜志郎/競馬ライター)