「令和の怪物」として、今やプロ野球で最も名前が知られるように──。
そんな佐々木朗希が所属するロッテは熱心なファンを除いて、これまであまり話題の中心に入ることは少なかった。
05年のバレンタイン監督時代にリーグ優勝して阪神相手に戦った日本シリーズでは、4連勝で日本一に。シリーズ期間中の総得点数がロッテの33点に対して阪神はわずか4点しか取れず、いまだにネット上では「33対4」がネタになることさえある。
10年にはリーグ3位から日本一に上り詰めたことが「史上最大の下剋上」として話題になった。ここ10年でAクラス5回、うち20年と昨年は2位。惜しくも優勝にはあと一歩届かなかった。
それでも球団関係者は、
「優勝したらさすがに瞬間的には盛り上がるものの、総じて話題不足が続いた。佐々木の活躍で、久々にスポットが当たっている」
当然ながら、球団も話題作りには苦労しており、
「ポスターやグッズなどで目を引く仕掛けを作ったのですが、今は佐々木がどこに出るかを選ぶ立場に変わった」(前出・球団関係者)
その結果、こんな事態も起こっている。
「担当メディアには連日のように、ロッテから球団ニュースのゴリ押し的な掲載依頼が殺到しています。ですが引きのない内容が多く、紙面掲載はおろか、ネットニュースへの配信にも苦慮している」(スポーツ紙デスク)
同様のことは同じパ・リーグの西武でも起こっており、
「球団の専門スタッフが、各社でネットニュースが何本掲載されたか、カウントしている」
という厄介な実情も。メディアと球団の付き合い方は、なかなか大変なようである。