昔の病気と思われていた“梅毒”が右肩上がりに増えているという。現行の統計法になった2000年以降、初めて1000人を上回った。しかも25~39歳の若年層での感染が目立つ。患者の多くは男性同士の性的接触が原因だというが。
かつては不治の病と言われた梅毒。15世紀後半コロンブスがアメリカ大陸からヨーロッパに持ち帰り広まったことはよく知られている。大航海時代ということもあり、ヨーロッパへの伝播からわずか20年でほぼ地球を一周。わが国でも、古くは戦国武将の加藤清正などをはじめとして、これまで多くの人々が梅毒で亡くなっている。
「梅毒とは梅毒トレポネーマ菌が皮膚や粘膜の傷口などから侵入することでかかる感染症。皮膚が赤くなったり、リンパ節が腫れたりすることから始まり、進行すると脳や神経が侵され死に至る」(国立感染症研究所)
その感染経路の多くは性行為。現在ではペニシリンを中心とする抗生物質によりほぼ完治する。「最大の予防はコンドームを使用すること」(国立感染症研究所)だが、口、傷口からも菌は浸入する。心配な向きは病院、もしくは自己検査キットを使ってのこまめな検査をお勧めしたい。