テリー 清宮(幸太郎)の話も聞きたいんですけど、今年はすごくよくなってませんか。
荒木 そうですね。彼が入団した時、僕も2軍の監督になって、ちょうど彼と一緒だったんですよ。その時は「やっぱりすごい奴だな」と思いましたけど、年々悪くなって。でも、今年はいいですね。
テリー 去年ほとんど1軍で出てなかったのに、なんでですか。
荒木 もともと能力はありますから、いろんな悩みが消えてきたんだと思いますね。やっぱり4年やって、いろんな解消法もわかってきたと思うので。あとは新庄監督になったことも大きいでしょうね。特別な見方をする監督だから、いい変化があったのかもしれないです。
テリー 新庄監督の采配はどうですか。
荒木 僕らには理解不可能なことが多くて、よくわからないですね。例えば、いろんなポジションを守らせてみるという練習方法は、今までもアイデアとしてはあったわけですけど。それをシーズンに入ってからもやるのは、さすがにケガが怖くてできないんですよ。でも、それを新庄監督はやっちゃうんですから、すごい行動力ですよね。
テリー まぁ、見てておもしろいですよね。急に7連勝したり。
荒木 チーム力からして、日本ハムが今の順位(最下位・7月21日現在)より上に行くことはないと思いますけど、日本ハムに負けたチームは大変ですよね。パ・リーグは1位から5位まで、どのチームがどこに入るかわからない混戦ですから。そういう意味では日本ハムは台風の目になっていきそうですね。
テリー 荒木さんって、やっぱり野球の話をしてると、いい顔をしますよね。
荒木 あ、そうですか(笑)。確かにいちばん落ち着きますね。
テリー 今年は解説者として野球に携わってますけど、今までの野球人生を振り返ると、どうですか。
荒木 ほんとにプロになってよかったなと思います。だから高校野球の仕事をしてる時も、「プロに行こうか迷ってる」なんて話を聞くと、「行けば必ずいい思いはできると思う」っていう話をするようにしてるんですよ。成功するか、しないかは別にして、なかなかプロの世界に行けるチャンスなんてないですから。
テリー ほんとに一握りですもんね。
荒木 僕はその中では、それほどの選手ではなかったと思いますけど、それでも日本一の輪に入れてもらえたし、開幕投手をしたり、日本シリーズの初戦で投げさせてもらったり、オールスターに出させてもらったり、ひととおり経験させてもらったんですよ。
テリー 2桁勝利もね。
荒木 そうですね。引退後もコーチや2軍の監督をさせてもらって。この年までずっと野球の仕事をやらせてもらってるのもプロに行ったおかげですから。
テリー すごくいい人生ですね。逃げ回ってたスカウトの人にも感謝しないと。
荒木 そう思います(笑)。
テリー ところで最後にもうひとつ。王(貞治)さんとはお会いしてるんですか。
荒木 最近はあんまりですけど、ソフトバンク戦の解説で福岡に行った時にお会いすると、それこそ清宮の話ばっかりしてますね。
テリー へぇ。どんな話ですか。
荒木 僕らが挨拶に行っても「お前はいいから、清宮はどうだ?」って(笑)。ずっと清宮の心配ばっかりしてますね。
◆テリーからひと言
早実OBは王さんを筆頭にスター揃いだから、一度みんなで集まってほしいよね。荒木さん、ぜひ先頭に立って実現させてください。