テリー 世界王座を争う2度目の挑戦に負けてしまった時は、どんな気持ちだったんですか。
河野 もうずっとボクシングのことだけを考えてやっていたので、終わった瞬間、何も自分になくなって「これからどうしていこう」と。キツかったです。
テリー その時は31歳でしたっけ?
河野 まだ30になる手前でした。だから、年も年だったので。かといって、ずっとボクシングしかしてこなかったので、すごく不安でしたね。
テリー 本当によくぞ挑戦を続けましたよね。
河野 ありがたいですね。運がよかったなと思います。08年の1回目(名城信男選手との対戦)は非常に競っていて「河野の勝ちでもいいんじゃないか」という判定だったんですね。会長もとても悔しがって「絶対お前にはもう1回チャンスをあげるから」と言って、試合をまた組んでくださったんです。そこからもう1回東洋チャンピオンになって防衛して、1位か2位までいって、決定戦までいったんです(10年、トマス・ロハス選手との対戦)。
テリー いろんな重圧があった中、3度目の挑戦でチャンピオンになって、ご両親は喜んでくれたでしょう。
河野 はい。父親は当時、具合が悪かったんです。少し気持ちもふさぎこみがちだったというか。でも、試合後はみんなが「おめでとう、おめでとう」と言ってくれて、一気に元気になっちゃって(笑)。まあ、恩返しできたなと思いました。
テリー すばらしいねぇ。よかった。家にまだサンドバッグはあるの?
河野 あります。リビングなんですけど。サンドバッグは取り外しができるので。シャドーも家の中でできるんですよ。
テリー 本当に、ボクシングを志してからはまっすぐな人生なんだね。だけど、さっきから女の話が一切出てこないよね。彼女はいないの?
河野 彼女は、まあ、いますけど‥‥。
テリー おお、「いる」! いつからいるの?
河野 今の彼女は、防衛戦で負けてからですね。
テリー じゃあ、つきあってからチャンピオンに返り咲いたってことは、彼女はアゲマンじゃないか。
河野 (目を丸くして)アゲマン‥‥ハハハハ。
テリー でも、そうだよね。
河野 まあ、そうですね。
テリー 写真持ってるでしょう。ちょっと見せてよ。
河野 いやあ‥‥ちょっと待ってください。う~ん(スマホを開いて探す)。
テリー どれどれ‥‥アーッ! すっごく美人。モデルさんじゃないの?
河野 いや、違います(笑)。
テリー 結婚はいつ頃予定してるの?
河野 そうですね‥‥チャンピオンになった、このあとが大変かなと思って。
テリー でも、それはいつでも大変だよ。
河野 そうですよね(笑)。
テリー 当然だよ。プロポーズ、しちゃいなよ。チャンピオンのこれからの夢は?
河野 防衛ですね。
テリー そりゃそうだ。5~6回は防衛したいよな。
河野 いや、5~6回といわず‥‥。
テリー 10回か。
河野 1回でも守りたいです(笑)。
◆テリーからひと言
チャンピオンを支えてくれる彼女は、本当に大事にしないとね。俺が彼女に電話してあげるから、早いところプロポーズしちゃいなよ。