南海・野村克也(63年)、ロッテ・落合博満(85年)に並ぶ、歴代6位タイ。9月6日の阪神戦、6回の第3打席で今季52号ソロを放ったのは、ヤクルトの主砲・村上宗隆である。
悠然とダイヤモンドを一周し、ホームベースを踏んだ直後、今までにない光景が展開された。村上が顔の前で両手を合わせて合掌すると、そのまま天を仰ぐポーズを取ったのだ。これまでの51本とは明らかに違う所作である。
村上は試合後、「偉大な野村克也さんと本塁打数で並ぶことができて光栄です」と喜びを表した。
村上が入団1年目の春季キャンプ中、ノムさんが2軍キャンプを訪問し、村上にこう言ったことがある。「王を超えろ。その前にまず、俺を超えろ」。
新人の時すでに、村上の才能を見抜いていたのだ。村上が天を仰いだのは、その激励に応えて並ぶことができたという報告だったのか…。
この時点で「世界の王」まで、あと3本。そしてバレンティンが13年に記録したプロ野球記録の60本超えも射程に入る。
三冠王の期待と同時に、大記録達成の行方を、燕ファンのみならずプロ野球ファンが、そして天のノムさんも、注視していることだろう。
(所ひで/ユーチューブライター)