静岡県牧之原市の幼稚園で、送迎バスに3歳の女の子が取り残され亡くなった事件が、いまだ波紋を広げている。
9月7日に行われた幼稚園側の会見では、園児の人数確認について「4つのミスがあった」との釈明とともに「バス下車時に、乗車名簿と下車する子供を照合する決まりが伝えられていなかった」「園児がバスに取り残されていないか、ダブルチェックする体制になっていなかった」などの事実が判明している。
そんな中、ネット上では今後の再発防止策として、どのような対応をとればいいのかについて、次のような意見が上がっている。
「バスに乗る際に、園児の靴を脱がせればいいと思う。降りる時に靴が余っていれば、すぐにわかる」「バスの駐車中は、ドアを開けっぱなしにしていればいいのでは。降り忘れてもすぐに外に出られるし」「センサー付きの名札をつけて、バスに入った人数と出た人数が違ったらアラートが鳴るというのは?」──。
交通ジャーナリストが、こうした意見について解説する。
「連日情報番組では『管理がずさんだった』『なぜ確認しなかったのか』などと幼稚園の管理体制をヤリ玉に上げていますが、ヒューマンエラーを責めたところで、何の解決や予防にもなりません。次に同じことが起きないようにするにはどうしたらいいかを考えることが重要でしょう。乗車時に『靴を脱ぐ』という提案は少なからず出ていますが、もし事故などがあった場合に、素足ではケガをする恐れがあることから、あまり現実的ではない。もっとも、こういう意見を交わすことが、なにより重要なんです」
スクールバスが多く使われるアメリカでは、バスが到着して運転手がエンジンキーを抜くと、その瞬間、バス内にアラームが鳴る。このアラームを消すためには、運転手がバス内の最後部にあるリセットボタンを解除する必要があるという。
これならばバスの中を往復する間に車内を確認できるため、かなり有効な対策といえるだろう。かなりアナログだが、実はこのような簡単な方法が有効なのかもしれない。
(ケン高田)