世界最高峰レース、GI「凱旋門賞」が10月2日、パリロンシャン競馬場で開催される。日本勢はGI3勝のタイトルホルダー、武豊騎手とコンビを組むダービー馬のドウデュース、さらにディープボンド、ステイフーリッシュと、過去最多となる4頭が参戦する。
今年で第101回を迎える凱旋門賞について、夕刊紙「東京スポーツ」でコラム「海外競馬解析」を執筆する競馬ライターの秋山響氏が話す。
「現地14日の午後、GI6勝を含む10戦無敗で、芝の世界最強馬バーイードの回避が報じられた。これにより、どの馬にもチャンスが広がり、混戦模様です」
9月22日時点の英国ブックメーカー「ウィリアムヒル」のオッズを見ても、単勝10倍以内に5頭がひしめくほどだ。
その中には、今年の宝塚記念をレコードで完勝したタイトルホルダーが5番人気に支持されている。
同馬は9月14日に美浦のウッドコースで国内最終追い切りを終え、16日に仏国に到着。21日には1週間前追い切りも無事に終えた。競馬専門紙「競馬エイト」の海外競馬本紙予想を担当する増井辰之輔トラックマン(TM)が振り返る。
「国内最終追い切り後、栗田調教師は『やればまだ動きそうだったけど、フランスに着いた翌週から1~2本追い切りをして、もう一段上げられれば』と。現地で行われた1週前追い切り後も『力みがなく息遣いもよかった』と、順調ぶりをアピールしていました」
日本勢で気になるのは、前哨戦のニエル賞で4着に敗れたドウデュースだ。ウィリアムヒルの単勝オッズも、11倍から10番人気タイの25倍に大きく下がった。
「帰国した豊さんが『全然メイチに仕上げてなかったし、いいトライアルになったと思います』と話していたとおり、悲観する内容ではなかった。重馬場の中、仕掛けた時の反応はよかったし、いいシミュレーションになったと思います。友道調教師も『そんなにダメージはなかった』と話していて、21日にはダートのリオン坂路で約6ハロンの1週前追い切りを行い、しっかりと負荷をかけられていました」(増井TM)
10回目の挑戦となる武豊(53)の手腕にも期待がかかるが、今年は2年連続出場のディープボンドと、3月のGIIドバイゴールドC(芝3200メートル)を制したステイフーリッシュも参戦することが追い風になりそうだ。
「当日の馬場や枠順にもよりますが、ステイフーリッシュが逃げて番手にタイトルホルダー、その後ろからディープボンド、中団にドウデュースという隊列ができれば、日本勢にチャンスがありそうです。過去、日本馬が1、2頭で参戦した年は、ポジション取りが難しかったですからね」(増井TM)
日本馬4頭の手綱を握るのもステイフーリッシュがC・ルメール(43)、タイトルホルダーは横山和生(29)、ディープボンドが川田将雅(36)、そしてレジェンド武豊のJRA所属騎手ばかり。まさに“チームJAPAN”で、日本のホースマンの悲願に挑む。