日本のホースマンの悲願である凱旋門賞制覇。今年は10月1日、仏のシャンティイ競馬場で行われる。16年に菊花賞&有馬記念を制したサトノダイヤモンドが僚馬サトノノブレスとともに欧州最高峰の頂に挑戦。前哨戦の惨敗で現地の人気は急落するも、陣営の意気込みからは巻き返し必至だ。
69年のスピードシンボリの初挑戦から48年、延べ20頭の日本馬がはね返され続けてきた仏GI凱旋門賞。ただ、エルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルが2着惜敗しているように、日本馬のレベルはすでに世界トップ基準。今年もGI2勝馬サトノダイヤモンドに熱い期待が寄せられている。
海外競馬取材の経験が豊富なスポーツ報知の牧野博光デスクが話す。
「誰もが前走のフォワ賞(9月10日・GII)での4着敗退に不安を抱いたと思いますが、初めての競馬場で重馬場だったことを考えれば、悲観することはありません。シャンティイ競馬場はざっくりと言うと、3角から下って上るコース形態です。直線(約600メートル)の残り200メートルぐらいまで上り続けるだけに、あの重馬場は跳びのキレイなサトノダイヤモンドにはこたえた。昨年の凱旋門賞より12秒以上も遅いタイムでしたし、良馬場であれば、一発の期待は十分あります」
レース後、ルメール騎手も「ここの馬場は、いい時と悪い時が極端」と話していたが、シャンティイはルイ13世が避暑地としても過ごしていた地。カラッとした気候だけに、本番では馬場が「いい状態」に一変することも考えられるのだ。
さらに、サトノダイヤモンド推しの材料はある。
前出・牧野氏が続ける。
「レース中に他馬と左後肢を接触するアクシデントがありましたが、軽症で1週前追い切りも坂路と馬場で順調にこなした。陣営からも『ダメージもなくいい状態』とのことでした」
また、凱旋門賞といえば「3歳馬有利」が定説。これは3歳馬と古馬の斤量差が大きいからなのだが、今年は欧州全般で斤量の見直しが行われ、3歳牡馬56.5キロ、4歳以上牡馬59.5キロ(牝馬はともにマイナス1.5キロ)と、昨年よりも3歳馬が0.5キロの負担増となった。斤量の差が縮まったことで、過去、凱旋門賞に出走した日本馬よりも好材料を得たサトノダイヤモンド。日本競馬の悲願達成も夢ではない!