まさに非常事態と言っていいだろう。宮城県を放送エリアとするTBS系列・東北放送で、今年に入り、アナウンサーが次々と退職していることが、「週刊文春」で報じられた。
それによると、局アナの業務過多が目立ち、疲弊しているのだという。社長に真意を聞くべく直撃取材を敢行しているが、実態はどうなのか。TBS系列局幹部が重い口を開く。
「TBS系列では老舗の局ですが、近年のテレビメディアの衰退による売り上げ急減の影響を受けて、特にボーナスは10年前と比べて、半分近くにまで下がっています。年収は1年目で約600万円程度と、宮城県内の物価を考えれば、決して安くない額ですが」
今年3月から9月末までに、男女計6人のアナウンサーが辞めた。「文春」でも報じられた、業務過多はあったのか。TBS系列局幹部が続けて、
「残念ながら、あります。目に見えて分かるのは、深夜帯に泊まり勤務をするアナウンサー。以前は外注していたのですが、コスト削減のため廃止した。ラジオ番組にしても、地元出身の人気パーソナリティーが複数いるのを順次卒業させ、番組に就いていたフリーランスのリポーターはそれ以前にカットしました。現在は局アナが全て、穴埋めしています」
宮城県内で最も中継回数が多いプロ野球楽天戦の現場はもっと過酷で、
「夜7時までテレビのローカルニュース番組に出演していたアナウンサーが、そのままタクシーに飛び乗って楽天生命パーク宮城に駆けつけ、7時30分頃からようやくテレビ、ラジオの中継レポーター業務に回る有様です。試合序盤はもちろん、レポートに必要な情報収集をするための事前取材も一切できない。局内では『アナウンサーの顔色がずっと冴えない。仕事準備もままならず凡ミスが目立ち、退職するアナウンサーがますます増えそう』ともっぱらです」(前出・TBS系列局幹部)
ブラック企業確定のランプがついたも同然だろう。