ウクライナとの紛争が続くロシアで、2人のフィギュアスケート選手に軍隊への召集令状が届き、フィギュアファンから悲鳴が上がっている。
ロシアのスポーツメディアによると、フィギュアスケート男子の羽生結弦が金、宇野昌磨が銀だった18年の平昌五輪で7位入賞を果たしたドミトリー・アリエフや、21年のロシア選手権で2位のマカール・イグナトフが、招集令状を受け取ったという。
「日本で言えば、羽生が招集されるようなものだろう、というのが、フィギュアファンが大騒ぎする理由です。確かにそんな感じですから」
そう話すスポーツライターが続けて、
「ロシア国内における五輪代表は、アスリートの中でもトップスターとして崇められています。政府の後ろ盾の下、高級車や豪邸が与えられ特権的な扱いを受けていましたが、そのスター選手ですら問答無用に戦場へと駆り出される。それだけプーチンが混乱し、追い込まれているということでしょう」
一方で、06年トリノ五輪金メダリストで、ロシアフィギュアスケート界の「皇帝」エフゲニー・プルシェンコは、次のように自身の考えを示している。
「もし招集令状がきても、私はどこにも逃げない。喜んでトレーニングを受けたいと思う。私たちは、子供たちと未来を守らなければならない。これが私の立場です。みんなに聞いてもらいたい」
まさかプーチン大統領が自国のスポーツ文化まで崩壊させてしまうとは…。今後、他の五輪選手も容赦なく招集される可能性は高そうだ。
(ケン高田)