スポーツ

あのスターを生んだ夏の甲子園(9)高橋光成が唯一の出場で放った「50回で自責点2」の輝き

20160815takahashi

 14年のドラフト会議で西武から1位指名され、将来の右のエースとしての期待が寄せられる高橋光成。

 13年夏の選手権では2年生ながら最速148キロのストレートと4種類の変化球を武器に前橋育英(群馬)に初の夏の甲子園出場をもたらした。その2年生右腕は甲子園初戦となった岩国商(山口)戦からとんでもない快挙をやってのける。夏の大会で歴代連続奪三振数2位となる9連続奪三振を記録したのだ。結局、13奪三振の5安打完封。1-0で初戦を突破すると、続く樟南(鹿児島)戦も1-0で2試合連続完封勝利をマークする。3回戦は強豪・横浜(神奈川)相手に自責点0の1失点完投。7-1で快勝し、初出場で堂々のベスト8進出を果たしたのだ。

 この大会で最も苦しかったのが準々決勝の常総学院(茨城)戦だろう。高橋が先発を回避したことで2点を先制されると打線も沈黙し8回を終わって0-2と劣勢だった。だが、土壇場9回裏に2死二、三塁のチャンスを掴むと、ここで“打者・高橋”が同点のタイムリースリーベース。続く延長10回裏に劇的なサヨナラ勝ちを収めたのである。準決勝の日大山形戦は自責点0の1失点完投。4-1で勝利し、ついに初出場で決勝戦進出を果たしたのだった。

 迎えた決勝戦。相手はこれも初優勝を狙う延岡学園(宮崎)だった。高橋は4回裏に延岡の打線につかまり4安打2四球で3点を先制されてしまう。

 この失点は高橋が甲子園に来てから45イニングス目に初めて喫した自責点だった。だが、ここから踏ん張り、5回以降打たれたヒットはわずか2本。7回表のチームの逆転劇を呼び込んだのである。結局、自責点2の3失点完投。4-3で勝利し、初出場初優勝の快挙を達成したのだった。この大会、高橋が許した自責点は50回を投げ、わずかに2点という快投だった。

 ところが、最上級生となった高橋は2度と甲子園のマウンドへ上ることが出来なかった。チーム力の低下もあり、春夏とも県予選で敗退。最高の輝きを放ったあの大会が高橋にとっての唯一の甲子園出場となったのである。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
2
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
3
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論
4
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き
5
世間はもう「松本人志」を求めていないのに…浜田雅功「まっちゃん」連呼のうっとうしさ