来年は日本一を目指す──。そう断言して今季を終えた日本ハムの新庄剛志監督に苦言をぶつけたのは、1軍打撃チーフコーチとして来季の巨人に招聘されているという、大久保博元氏だった。10月10日、自身のYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉で語ったのは、
「1軍が教育の場になっちゃってる。ちょっと厳しいですよね、プロとしての戦い方的には」
もっとも、これは日本ハムに限った話ではなく、日本プロ野球界に蔓延する傾向だという。
この回にゲストに招かれたのは、タック川本氏。メジャー3球団のフロントで活動し、現在はロサンゼルス・エンゼルスの国際編成に籍を置く人物だ。川本氏は言う。
「メジャーリーグはどこの球団でも平均して7軍、8軍、9軍とあるんです。ドラフトされていきなり1軍(メジャー)に上がる選手はひとりもいません。上げないんじゃないんです。それくらい、プロとアマチュアの差がある。スタジアムにお客様が足を踏み込んだ時から、ドキドキワクワクしながら本物のプレーを見て驚き、感動してもらう。感動ビジネスなんですね」
ドラフトされた選手がメジャーに上がる平均年数は、5年4カ月。95%はマイナーで終わるという。
話はここから、日本ハム・清宮幸太郎へと移行していく。今季はプロ入り5シーズン目だった。大久保氏が言うには、
「7年くらいで出てきてくれりゃ御の字だと思ってるのに、何か飛び越えて…」
そしてこれが、冒頭の発言へと繋がっていく。
10月5日、ソフトバンクが来季以降をメドに、12球団で初めて、4軍を設立すると発表した。手本にしているのは、メジャーのチーム作りだという。選手層が厚いソフトバンクならではの、さらなるチーム強化へ向けた発想は、はたして球界に浸透するか──。
(所でひ/ユーチューブライター)