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私は国会議員の秘書をやっております。元議員の宮崎さんにこんなことを話すのもおこがましいのですが、社会は「いい人がバカを見て、悪い人がのし上がる」‥‥と、政治の裏側を見てそう感じます。これは政治に限りませんが、この現実をどう思いますか。早くも次の総理の座を狙った動きもあり、足の引っ張り合いが始まっています。
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まず現状の政権は、確かにヤバそうです。旧統一教会絡みの山際さん、失言の葉梨さん、政治資金疑惑の寺田総務相といった大臣のドミノ倒しが。激しく問題になっている「もうひとり」が更迭されたら、レッドカードです。
この流れは全て、安倍元総理の銃撃死から始まっています。つまりは、奈良県警のせいですよ。安倍さんを守りきれなかった自分たちの失態をごまかすために、旧統一教会の問題を流布しているという話も出ています。実際、追及されるべき奈良県警の情報が一切出てこないんですから。
噂によれば、警察内で派閥闘争が起こり、官邸が抱えている警察トップを引き摺り下ろす動きもあるのだと。本来は政治と警察が一枚岩となるべき時期に、内情がもうグチャグチャなんですよね。
さて、「いい人がバカを見て、悪い人がのし上がる」です。先ほどの政治と警察の足の引っ張り合いをとっても、今の警察には「悪」な感じがあります。
でも人は追い詰められると悪い部分が出てしまうし、「いい人がバカを見る」のは世の常で、どうすることもできない。大きくイメージダウンしましたが、萩生田さんなんて、まさにそんな人です。次の総理は萩生田さんだ、と囁かれていたほど人望が厚い人。与党だけでなく、野党も含めて信頼されています。
こんな話があります。彼が経済産業大臣になってすぐ、秋田の山奥に住むおばあちゃんから、萩生田さん宛に手紙が来ました。内容は「大臣へ。私はこの冬、ボイラーのない家で過ごすことになります。壊れてしまったので電気屋に見てもらったところ、部品がなく、取り寄せるだけで半年かかります、と断られました。なので沸騰させたお湯をバケツに入れて、何回かに分けてお風呂に運んでいます」というもの。
驚いた萩生田さんが調べたところ、本当に半導体が足りず、困っている地域がたくさんあった。そこで着目したのが、オリンピックで使用した選手村の給湯器です。それらを買い取って、困っている人たちに送り、さらには半導体工場も急ぎ、建設したというんです。
とはいえ、萩生田さんはやはり旧統一教会の問題でマスコミが騒いだ影響も。次の総理は順当に考えると茂木幹事長あたりでしょうか。茂木さんもいい人です(厳しいけど)。電力自由化をやったのは、経済産業大臣時代の茂木さんですから。彼が総理になれば、規制撤廃を推進して経済が元気になる可能性があります。地道ではありますが、ようやくお鉢が回ってきたな、という感じです。
ということで、結論としては「いい人には、いずれはお鉢が回ってくる」。世の中、捨てたもんじゃない、と考えましょう。
宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。