こともあろうに、自身のトークショーで、結婚したばかりの夫をつかまえ「口が臭い」だの「一人でトイレにも行けない」などと言ってみたり、気に食わなかったからと、公衆の面前でブチ切れて「回し蹴りを食らわせた」と告白するなど、言いたい放題──。
それが05年1月に某大企業創業者の御曹司と1カ月の交際で、電撃結婚した杉田かおるだ。
過激トークは日を追うごとにエスカレートし、ついには「(バレンタインデーの贈り物は)チョコの代わりに内緒の凄いプレイをプレゼントした」と、夜の夫婦生活まで暴露した。
そんなことだから、甘い生活が長く続くはずもなく、半年後、結婚生活は破綻。だが杉田はその後も、テレビ等で元夫を引き合いに、暴露話を継続。堪忍袋の緒が切れた元夫が、杉田の一方的な言い分を掲載したメディアを名誉棄損で訴える、という逆襲に転じることとなった。
そんな最中の06年9月、女性誌に掲載されたのが、杉田と50代妻子持ち男性との「ホテル入城」写真付きスクープ記事だった。
記事によれば、2人は路上で20分ほどモメた後、近所の居酒屋で仲直り。その後、杉田が男性をホテルに連れ込むまでの一部始終が、詳細にレポートされていた。
9月25日夜、記者会見を開いた杉田はのっけから、
「(彼は)恋愛対象ではないです。これまで全テレビ局のディレクターとキスしていますし、酔ってテンションが上がるとラブホに連れ込もうとすることがあるので…。先日も酔って、ネプチューンのホリケン君を連れ込もうとして、ビビる大木君に止められました。いい男だったら高級ホテルに行きます」
例のごとく毒舌でかわし、ただ、ホテルでの「休憩」は認めた上で、
「(ホテルは)お城かと思って入りました。中では、彼を殴る蹴るしたかな。相手は服を脱いでいたけど、私は着ていました」
珍釈明連続の会見となったのだった。
しかしその相手は、実は杉田の元夫に訴えられている男性週刊誌の関係者で、なんでも彼女に裁判への出廷協力を依頼するため会食し、彼女はその要請を「断った」というのだが…。
とはいえ、誰が見ても「今回ばかりはやり過ぎだろう」と思われる、元夫に対する一連の暴言。それに端を発した騒動に、かつて番組で彼女を起用した演出家はこう語っていたものだ。
「赤裸々な告白が話題を呼び、バラエティーに引く手あまただったのは過去の話。訴訟を控えては暴露話も封印せざるをえませんし、『汚れ』イメージがついてしまった。ドラマでも使いづらいし、これからが彼女の正念場になることは間違いないでしょうね」
まさに「口は禍の元」を地でいく騒動だったのである。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。