岡田阪神の現時点での外国人選手補強に「本当に大丈夫か」と不安の声が上がっている。
阪神は12月15日、新外国人第3弾として、前レッドソックス傘下3Aウースターのヨハン・ミエセス外野手の獲得を発表した。メジャー経験こそないが、マイナー通算140発のパワーヒッターという触れ込みだ。
だが「変化球に対応できないタイプ。日本球界向きではない」というのが、各球団渉外担当の大方の見方だという。
事実、昨年の東京五輪にドミニカ共和国代表として出場したが、日本戦ではオリックス・山本由伸の変化球に手も足も出ず、2三振を喫している。
長年、セ・リーグで外国人選手の獲得に携わっていた球界OBは、次のように話す。
「外国人選手だから来日してみないと分からない部分は、もちろんある。でも最近の阪神の外国人選手、特に野手の獲得には疑問符がつく。今オフ退団したロハス・ジュニアがいい例だ。代理人の売り込み文句を鵜呑みにし、韓国野球での数字を頼りに獲得したため、日本の野球に対応できずに終わった。生のプレーはほとんど見ていないだろうミエセスにも、その可能性がある」
しかも、登録では外野手になっているが、実際は試合に出場できるレベルである保証はない。
在阪スポーツ紙デスクは、
「球団の発表で、体重は120キロ。その重量で、ヒザに負担がかかる人工芝での試合も多い日本で、常時出場できるのか。一塁ならいいだろうが、来季は大山悠輔が一塁に固定される。結局、代打以外で試合に出るチャンスが巡ってこない可能が大ではないか」
戦力にならない可能性を指摘したのだ。
来季、岡田彰布監督の構想では、外国人選手は5人制で、ミエセスが3人目。指揮官は4人目として、獲得が決まった元メジャーリーガー、シェルドン・ノイジー内野手に期待を寄せているが、佐藤輝明が守る予定の三塁が専門の選手。しかも、岡田監督が臨む長距離砲タイプではない。
今季の阪神は球団史上ワーストとなる完封負けを喫するなど、貧打に泣かされてきた。その貧打解消に向けての、新外国人選手獲得。だが本当に「アレ」に貢献できる助っ人が来るのだろうか。
(阿部勝彦)