キューバ野球連盟は12月24日、2023年春開催のワールドベースボールクラシック(WBC)に、同国出身でアメリカに亡命した大リーグ選手が「キューバ代表」として参加することが認められた、と発表した。
アメリカとキューバの政治的関係から、現在、メジャーリーグに在籍するキューバから亡命した選手が、再び祖国の代表としてプレーするには、米国政府の許可が必要だった。その許可が下りたというのだ。
「すでにホワイトソックスに在籍するヨアン・モンカダ、ルイス・ロバートなどが参加意思を表明していますね」(米国在住ジャーナリスト)
あるメジャー関係者も、この米国の英断を歓迎した上でこう話す。
「キューバを亡命したメジャー選手がWBCに参加するのは今回が初めてのこと。これでキューバの戦力は大幅にアップします。アメリカ代表も一線級の選手が参加表明しており、より高いレベルの大会になるでしょう」
ところが、このWBCのレベルアップによってホゾを噛みそうなのが、西武の平良海馬だと言われている。どういうことか。
「平良は契約更改後の会見で、将来の米大リーグ移籍の希望を表明しています。また、WBCはそのメジャー移籍を見据えた先発転向の準備を優先したいとして辞退しました。ただ、WBCに出場すれば、スカウト陣に自身の力量を直接見てもらうこともできる。キューバ出身選手の祖国代表出場で盛り上がる大会となれば、なおさら注目されるでしょう。メジャー移籍が希望と言うなら、そんなWBCこそ優先すべきだったのではないか、と囁かれているんです」(ベテラン野球記者)
先発転向準備とWBC出場。もちろん熟考に熟考を重ねた上での判断だったはずだが、果たして平良にとっては、どちらが正しい選択だったのか…。