栗山監督に“長嶋イズム”を託したミスターだが、昨年9月に脳内出血で都内の病院に緊急搬送された。巨人関係者が語る。
「自宅で尻もちをついた時に、後頭部を打ってしまいました。幸い意識ははっきりしていますが、高齢な上にベッドで過ごす時間が長かった影響で入院生活が長引いてしまった。人生で初めてクリスマスと正月を病院で過ごしたことをかなり悔しがっていて、1日でも早く自宅に戻りたい思いが強く感じられます」
04年の脳梗塞、18年の胆石に続く3度目の入院となる。約19年間のリハビリ生活を支えたパートナーたちも、毎日入院先に通っているようだ。
「専属運転手と専属の理学療法士のサポートを借りながらメニューに励んでいます。普通なら、思い通りに動かない体にイライラして『やってられるか!』と周囲に当たりたくもなるのですが、ミスターの場合は『回復するんだ、回復するんだ』と唱えながら常に前向きな取り組みで、他のリハビリ患者にも好影響を与えています。誕生月の2月をメドに退院する予定です」(巨人関係者)
20日には山口寿一オーナー(65)が「遠からず退院できる」と明言したばかりでもある。そしてその先には、1度は志半ばで果たせなかった夢がある。
「ミスターは国際大会の監督に返り咲いて『世界一』を獲ることを本気で目指しています。その胸中には、06年にWBCで優勝チームを率いた王貞治氏(82)への対抗心があります。常にチャンスをうかがっていて、08年の北京五輪で星野仙一氏が監督に選ばれた時にもかなりショックを受けたといいます。本人は車イス姿になろうが、采配を振る気でいるはずですよ」(スポーツ紙デスク)
だからこそ、栗山監督にも魂のこもった「必勝戦術」を授けたのだろう。
最後にミスターのリハビリ生活を5700日以上見守ってきた、スポーツジャーナリストの吉見健明氏がエールを送る。
「何度も奇跡の復活を遂げました。今回も退院後に元気な姿を野球ファンに見せてくれるでしょう。さすがに長距離移動となる宮崎合宿は難しいかもしれませんが、1次ラウンドあるいは準々決勝ラウンドが行われる東京ドームで代表選手たちを激励してほしい」
ミスターの“復活パワー”で世界一を取り戻せるか!