大阪の渡邊雄一郎は02年3月、やまと学校を卒業する時、15歳だった。この期は中学を終えたばかりの志望者にも受験資格が与えられたからである。まだ、いたいけな感じが残っていたが、もう1点、彼には忘れられないことがあった。それは訓練成績が49走して1着3本、2着6本、2連対率18.4%。勝率が3.78しかなかったことだ。
本当に選手を続けていけるのか、不安が先に立ったが、あれから12年の月日が流れた今期、渡邊はあっと驚く航跡を記録した。126走して1着44本、2着30本、2連対率58.7%。勝率7.12をあげ、選手約1600人中、A1級の第75位に躍り出てきた。
むろんこれは猛練習の成果だが、思えば15歳の若さで難関をくぐり抜け、選手になったこと自体、内に秘めたレースセンスの証明であった。平均22だったスタートもコンマ15と速くなり、2月の近畿地区選では馬場貴也を2コースから破って、3連単4万5770円の大穴をあけた。
7月11日【金】~16日【水】の「平和島キリンカップ」は、この渡邊を狙いたい。最近3年間の平和島実績は34走して1着12本、2着9本、2連対率が61.8%の高率。GIIIだけに強敵は多いが、急成長の跡を見せて一気の速攻を決めるだろう。
なお、渡邊の次走は7月25日~30日の「イースタンヤング競走」となっている。
◆ボートレース評論家・水上 周
◆アサヒ芸能7/8発売(7/17号)より