安倍晋三元総理銃撃事件からおよそ7カ月が経った2月13日、奈良県警は山上徹也被告(すでに殺人罪などで起訴)を武器等製造法違反(無許可で武器を製造)や建造物損壊(旧統一教会の関連施設への発砲)など複数の容疑で追送検し、一連の捜査は今回の追送検をもって終結することとなった。
だが「事件は山上被告ひとりによる犯行なのか」「背後組織に対する捜査は尽くされたのか」「某国による暗殺テロの可能性はないのか」など、令和の要人暗殺に対する疑念は、いまだ燻り続けている。事実、安倍元総理の命を奪い去った凶弾を巡る当局の検証結果についても、例えば以下のような重大な疑問点が解消されず、残されたままなのだ。
●安倍元総理を襲った3発の凶弾のうち、致命傷となった左上腕部からの弾丸が体内から発見されず、弾丸が体を貫通した際にできる射出口も確認されていない
●安倍元総理は左へ振り向いた際に銃撃されており、山上容疑者が手製の散弾銃を発砲した位置から考えると、右前頸部に被弾する可能性は極めて低い
一部メディアは「安倍元総理が倒れた後、不審な人物が駆け寄っている。その人物が暗殺用の高圧ガス銃などを使い、トドメを刺した可能性も否定できない」などと報じている。これなら体内から弾丸が見つからない理由も説明できる、というわけだ。
そんな中、今回の捜査終結宣言を受けて「某国による暗殺テロ」の可能性が、改めて浮上している。西側諸国の国際諜報活動に詳しい専門家が、声を潜めて明かす。
「最有力の某国として再浮上してきているのが、習近平国家主席率いる中国です。山上被告は3年間、任期自衛官として海上自衛隊に勤務しており、艦載武器を扱う砲雷科員として護衛艦『まつゆき』にも乗艦しています。その後、任期満了で退職したわけですが、防衛機密の一端を知るこのような人物をターゲットに、中国がハニートラップ(女性を使った色仕掛けの甘いワナ)を仕掛けてくることは、かねてから指摘されていたこと。そんな中、中国共産党が時間をかけて山上被告を籠絡した上で、習近平の指示のもと、中共の敵である右派の安倍元総理を暗殺した、との疑惑が再浮上してきているのです」
警察当局による必要十分な再検証が求められるゆえんである。