キャラかぶり、男の取り合い、生理的に受け付けない‥‥。女の一念岩をも通すというが、一生消えないのが女の恨みだろう。近寄ればヤケドする、美女たちの“ライバル花火”はいたるところで点火してきた。
蝶よ花よの“アイドル女の園”はバトルの宝庫だ。
85年に結成されたおニャン子クラブでも、新田恵利(46)と国生さゆり(47)のトップを巡る冷戦が勃発したが、この“グループ内紛”は「モーニング娘。」にも受け継がれていた。
97年に飯田圭織(32)ら5人で結成したモー娘だったが、翌年に追加メンバーとして矢口真里(31)ら3人が加わると世代間抗争が勃発したのだ。
当初は体育会のような上下関係の厳しさで、「音程が外れている」「衣装の色がかぶる」など先輩が後輩を鬼のように攻めたてたという。そして、ある時のレッスン中、先輩の飯田から、
「あなただけ振り付けが間違ってる」
と注意されてしまったのが矢口だった。しかし納得のいかない矢口は、
「間違えているのはアンタのほうでしょ!」
と涙を流しながら応戦して口ゲンカとなった。のちに、2人はバラエティ番組で共演を果たした際にこの話を蒸し返され、
飯田「アドバイスしたつもり」
矢口「今は仲いいですよ」
と取り繕ったが、飯田の顔は真顔だった‥‥。
芸能レポーターの城下尊之氏が解説する。
「あれだけ女が集まってケンカが起こらないほうがおかしい。今のAKBはうまく統制されているというか、総選挙がいいガス抜きになっているのでしょう」
オンナの嫉妬心が剥き出しの取っ組み合いを演じたのは、モデルの土屋アンナ(30)と道端ジェシカ(29)だ。2人は07年末のファッションイベント「東京ガールズコレクション」の舞台裏で激しく開戦した。
「土屋がゲスト枠で特別扱いされていることに腹を立てたジェシカが、楽屋で嫌みを連発した。それに耐えかねたアンナが『てめー! コノヤロー!』と本性剥き出しでつかみかかったんです」(イベント関係者)
華やかなステージと楽屋の間の通路には怒声が飛び交い、取っ組合いとなった2人に現場スタッフは凍りついたという。
同じくつかみ合いの“頂上決戦”を繰り広げたのは、仁支川峰子(56)と川島なお美(53)。極道の本妻と愛人の修羅場を描いた人気シリーズ「新極道の妻たち 惚れたら地獄」(94年 東映)において、道頓堀での乱闘シーンを演じたのだ。
「のちにトーク番組『怪傑えみちゃんねる』(関西テレビ系)で仁支川が『私の大嫌いな女優K』とイニシャルトークで、撮影中に着物姿で倒れた仁支川を川島が心配するそぶりも見せなかったことや、ビンタを何度も避けるせいでNGを連発していたこと、さらには『男に媚びを売るオンナ』と嫌悪感をあらわにしました」(芸能記者)
敵役を嫌悪する思いがスクリーンからにじみ出るなら女優魂とも言えよう。
さて、今や“芸能界の御意見番”として言いたい放題の和田アキ子(64)も‥‥。
「72年に『あの鐘を鳴らすのはあなた』で日本レコード大賞最優秀歌唱賞を獲得したが、その裏では先輩歌手から陰湿なイジメを受けていました。中でも小川知子(65)は和田のスニーカーにマジックで『男女』と書いたり、和田の顔にいびつな化粧を施したりとイビリまくっていた。芸能界に多大な影響力を持つようになってから和田は、イジメられた事実を口外してプレッシャーをかけていますね」(ベテラン記者)
最後に、華やかな昭和歌姫たちも裏ではドロドロしていた。71年の紅白に司会兼歌手として抜擢されたのが水前寺清子(68)。これに敵対心を燃やしたのが、前年の紅組司会を務めた美空ひばり(享年52)だった。
「最近の紅白は『こんな人』という人が入ってる」
と、暗に水前寺を牽制したうえで大トリ条件でのみ出場の意向を発表した。結局、本番でまんまと大トリを務めた美空だが、今度は司会の水前寺が曲紹介をしなかった。のちに水前寺は、謝罪会見を開き、
「いつか私も歌謡界の女王と呼ばれたい」
と、対抗心を剥き出しにするのだった。
「大物になれば番組に呼びたくない共演NGリストも作れますが、そこまではい上がるのがなかなかどうして‥‥」(前出・城下氏)
狭い芸能界のバトルを征し、天下を獲れるオンナはほんの一握りだけである。