中国からは60メートルを超える巨大気球、北朝鮮からは2月18日の大陸弾道ミサイル級に続き、20日にも2発の短距離弾道ミサイルが発射されるなど、日本の上空が立て続けに狙われている。
「それだけではありません。自衛隊施設の周辺の公園では、怪しいドローンが目撃されているのです」
と話すのは、軍事ジャーナリストである。続けて、
「相変わらず『遺憾』と述べるだけの遺憾砲同様、自衛隊施設の周辺や公園に『ドローン禁止』と掲示するだけ(写真)。警視庁は今年2月3日になってようやくウェブサイトを更新し、小型無人機等飛行禁止法について言及しましたが、現行法では空港や国の重要施設、自衛隊施設その周辺300メートルを許可なく飛行したとしても、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金という微罪です。すでに中国国内、在日中国人向けの北京語サイトでは『この程度の微罪で済む』という補足説明とともに、羽田空港や防衛省、横田基地周辺の地図と、周辺300メートルを赤く囲った地図が出回っています」
まったく、日本もバカにされたものである。
「ポスター1枚でドローン飛行を防げると思っているとは、政権与党も小池百合子都知事も『憲法9条で平和を守る』と妄言を吐いている日本共産党と、大して変わりません。平日の昼間は幼稚園児や保育園児が遊び、赤ん坊連れから高齢者まで市民の憩いの場となっている公園の安全を守るために、東京都内や23区内でより厳しい規制と罰則を設けないのは、平和ボケの度を越しています」(前出・軍事ジャーナリスト)
岸田文雄総理も同罪で、2月20日午前、北朝鮮の弾道ミサイル発射をめぐり「国連安全保障理事会に対して緊急会合の招集を要請している」と記者団に述べた。自国の領空侵犯でありながら他人任せで「領空侵犯した外国の無人気球などの撃墜を可能にする武器使用の要件緩和案の具体策」については言及もしていない。
「もし羽田空港や横田基地などに国籍不明の気球やドローンが侵入した場合、どの程度の武器を使うのか。場合によっては近隣住民の安全にかかわる問題なのに、具体的な言及を避けています。さらに岸田総理は息子を秘書官にしたがために、米韓から北朝鮮のロケットに関する機密情報の共有も渋られている。一刻も早く息子を更迭し、小型無人機等飛行禁止法案の改正に取り掛かるべきです」(政府関係者)
ちなみに、東アジアで軍事用ドローン部隊がないのは日本だけ。自衛隊すら同法の規制にかかるため、正体不明のドローンに都内要所が攻撃されても軍事用ドローンでの反撃が可能となるのは、警視庁、警察庁への届出から48時間後だという。