「近頃は『共演NGの芸能人』というのを、あまり聞かなくなりましたね」
こう話すのは、テレビ局スタッフである。続けてその理由を説明するには、
「共演NGの多くは、過去の恋愛での破局、三角関係、タレントとしてのキャラかぶりなどが発端となっている場合が多いのです。タレント事務所はこうしたネタが流れることを、極端に恐れている。犬猿エピソードは話に尾ヒレがつきやすく、ヘタに火消ししようと否定すれば、逆に深読みされてしまう。なにより最良の策は、ボヤを起こさないことです」
火のないところに犬猿話は立たず、未然にトラブルを予防することが徹底されているというのだ。
バラエティー番組関係者が、いたってシンプルな方策を明かす。
「具体的には同じ番組にブッキングしないのはもちろん、接近遭遇を避けることです。最近、爆笑問題のラジオ番組にゲスト出演した陣内智則が、テレビ番組の収録の際、別番組で来ている元妻・藤原紀香の名前が楽屋にあったと明かしましたが、こうした接近遭遇を避けることも、テレビマンの仕事なんです」
ドラマスタッフが打ち明ける。
「楽屋を離すだけで済むならならいいんですが、共演NG同士が同時期にドラマの撮影が入ると、これは大変です。1クールにわたる撮影だった場合、楽屋を別にしただけでは出入りなどでハチ合わせする可能性が高くなる。ですから、1人は局内スタジオ、もう1人は都内の別スタジオで撮影を行うなど、香盤を工夫しますね。例えば、過去に男問題で遺恨があるとされる松嶋菜々子と稲森いずみ、同じアイドルグループ卒業組の仲間由紀恵と篠原涼子は、同時期にテレビに出ていても、同じスタジオでは行わないのが鉄則です」
火に油を近づけないことが、大炎上の防止策なのである。