コロナの自粛が緩和され、海外旅行をする人が増加している。ハワイやヨーロッパなど旅行会社で人気のツアーが組まれる中でも、比較的日本から近く、老若男女から人気がある国といえば、タイだろう。ところが今、タイへ旅行する男性に、ある「異変」が起きているという。
タイといえば、東南アジアきっての「夜遊び大国」として知られる。ゴーゴーバー、カラオケ、バービアなどナイトスポットが盛んで、かつては夜遊び目的でタイを旅行する男性は多くいた。しかし、バンコクの日本人のホテル関係者に聞くと、驚くべき答えが返ってきたのである。
「ゴーゴーバーなどで女の子を連れ出す料金が値上げして、日本円にして2~3万円は下らなくなったこと、それに円安の影響もあって『コスパが悪い』と、タイで夜遊びをする若者が激減しています。確かに今は日本の性サービス店でも1万円前後で遊べるため、『わざわざタイに来て風俗に行かなくてもいい』と思うようですね」
ひと昔前であれば、夜の店の女の子と朝まで過ごし、翌日は一緒に観光地を案内してもらうのが定番だった。しかし、今ではマッチングアプリが主流になったこともあり、現地で若い女の子と気軽に知り合えるようになった。これも若者の夜遊び離れの原因なのではないかとされる。
筆者自身、昨年末にバンコクを旅行した際、ナナプラザやソイカウボーイなど歓楽街で日本人の客はオヤジ、オヤジ、オヤジ…だらけだった。そして、かつて日本人のオアシスだったバンコクの日本人街タニヤでは、今は旅行者の姿はほとんど見られない(写真)。
では、今どきの若者は、タイでどんな行動をとっているのか。
「男同士で旅行に来ても、夜遊びはクラブに行ったり、バーで少し飲む程度。昼間はバイクタクシーに乗って、SNS映えする観光スポットやルーフトップバーを回るなど、体験型の旅を重視しているようですね」(現地旅行業関係者)
タイで夜遊びをするのは今や、オヤジだけ。若者には「古臭い」と言われてしまうのだろうか。