「世界ふしぎ発見!」(TBS系)の司会者が、この4月から交代することになった。草野仁の後任は昼のワイドショー「ゴゴスマ」(TBS系)の司会でお馴染みのフリーアナ、石井亮次。草野は「クイズマスター」という称号を与えられ、クイズの正解の解説をする予定で、番組には引き続き出演する。
草野が38年間も司会を担った「世界ふしぎ発見!」は、クイズ中心だった構成を変えてリニューアルしたものの、視聴率が復活する兆しは現れなかった。
「本来なら番組を終了した方がすっきりと次に移行できる、という意見も局内にはありました。しかし、草野さんの功績・貢献を考慮して、玉虫色の裁定になったのです」(TBS関係者)
NHKの看板アナウンサーだった草野は85年にフリーとなり、「ザ・ワイド」(日本テレビ系)の司会者として、14年半も出演し続けた。
「東大からNHK入局のアナウンサーですから、落ち着いた振る舞いで品があり、知識もあります。裏返せば四角四面の性格で面白くない、ということになるわけですが…。まるで銀行員みたいな性格だな、と仲間内では言っていました。常識、知識に欠ける者には非常に厳しい。短気な性格で、怒った表情が画面に出ることもありました。だから草野さんが苦手だという出演者も少なくありませんでした。ただ、言っていることは正論ですから、意見を挟めない雰囲気はありましたね」(民放局ディレクター)
批判の声があったのは確かなようであるが、草野ファンがいることもまた事実で、
「番組の打ち上げでは、草野さんのポケットマネーでスタッフを労うことが恒例でした。ただ、雲の上の存在でしたから、フランクに喋りかける関係にはなりませんでした。ブッキングの力がまだ未熟な若手よりも、上層部と親しくするほうがいい…草野さんはそのように動いていたと、現場では認識していましたね」(放送関係者)
とにもかくにも、79歳でまだ現場に残るという執念は、すごいとしか言いようがない。