最新のNHKの世論調査によると、岸田文雄総理の支持率は36%、不支持率は41%となっている。昨年8月前までは支持率の方が高かったが、8月に40%-40%と並んでからは、不支持率が上回ってしまった。
「安倍晋三元総理の国葬に多くの国民が反対していたのに、ゴリ押しした。これがケチのつき始め、転落の引き金となりました。いまだ悪影響を与えていますね。なにも国葬に固執する必要もないのに自ら言い出し、反対の声が盛り上がっても訂正することなく突っ走ってしまった。世間の風を読み違えた、最大の失敗でした」(テレビ局政治担当記者)
はたして支持率が浮上する可能性はあるのだろうか。政治担当記者が続ける。
「物価の高騰で、庶民生活は苦しめられている。国民の最大の関心事は、物価を抑えることです。それも急務なのは電気・ガスの公共料金の抑制。前月の1.5倍から2倍の請求書がきて、誰もが驚いているんですから。1月には総理が記者会見をして抑制策を発表するかと思いましたが、それがなかった。タイミングを計っているのでしょうが、大ハズレです」
どうやら「4月の統一地方選に当てる」という目算のようなのだ。
わずかな年金で暮らしている高齢者世帯では、暖房を切ったりして「生きるか死ぬか」の生活を送っている人々がいるのに、そこに目を向けない岸田総理。冷たい政府と思われて当然だろう。
「物価の抑制が最も国民にアピールできることですが、今のところ官邸の最大の関心事は、総理のウクライナ訪問です。5月19日からの広島サミットの議長として、世界中に目立つことをしたいというワケでしょう」(全国紙政治部記者)
サミット参加国の首脳でウクライナ訪問をしていないのは岸田総理だけ、という焦りからのようだが、
「もはやアメリカのバイデン大統領がウクライナを電撃訪問したぐらいのニュースになるはずもないし、それによって国民の支持率がアップすることも期待できません。ウクライナを訪問し、続けてロシアも訪問して戦争停止を実現させるぐらいのことをすれば、話はちがいますが」(前出・政治部記者)
それなら北朝鮮へ行って拉致被害者を連れて帰ってくる方が、数十倍もの支持を得ることになるのは間違いない。しかし、北朝鮮と対話もできないのが現状なのだ。