そもそも、松とキムタクが初共演を果たしたのは、96年の“月9ドラマ”「ロングバケーション」(フジテレビ系)だった。
当時は絶頂期だったキムタクの主演ドラマに出演したことで、松も広く注目を集めるようになった。翌97年には「ラブ ジェネレーション」(フジテレビ系)で再び共演し、ヒロインの座を射止めたのだ。そして01年の「HERO」で黄金コンビを復活させ、最大のヒット作となった。
「その後の松は舞台作品を中心に活動しましたが、代表作と呼べるような作品もなく、伸び悩んでいたために、07年の『HERO』映画版のオファーを快諾したんです」(芸能記者)
もちろん、まだまだキムタクの全盛期だった。映画は大ヒットしたが、松にとってはキムタクとの共演を窮屈だと思うようになった決定的な作品だったようである。
「国内ロケのみだと思っていたのに、ジャニーズのスタッフが韓流にハマっていたため、イ・ビョンホン(44)を出演させて、その絡みで韓国ロケを強いられました。また共演を避けていた父・松本幸四郎(71)を話題作りで出演させられたことにも不快感を示していた。極め付きは、キムタクの意向でキスシーンを撮影したことです。当時の松は同年に結婚したミュージシャン・佐橋佳幸(52)と交際していたため、キスシーンやラブシーンは原則NGだった。これで不信感を募らせました。11年には松も個人事務所を設立して独立したため、より自分がやりたい仕事しか受けなくなった。今作のオファーは即座に却下したといいます」(芸能記者)
初共演から18年、2人の立場が逆転してしまったのか。「アナ雪」で歌手としても100万枚を突破した松にしてみれば、それが現状の“ありのままの”格付けなのかもしれない。フジテレビ関係者が補足する。
「公称では松は163センチ、キムタクは176センチとなっていますが、実際の背丈はそこまで違って見えない。そのため並んだシーンの撮影では、足元を映さずにキムタク専用の台が用意されたり、全身を映す際には縦に長く映る特殊なレンズを使うなどしています。編集にも特撮レベルの時間がかかる。松も演じること以外の気苦労を敬遠しているようです」
一方で、松のいない「HERO」を好意的に解釈しようという声もある。
「今回はキムタクのギャラが1本300万円ほどで、北川は110万円前後ほどと言われています。松の相場は200万円なので、制作サイドはかなり助かっているでしょう。ロケにもかなりお金をかけているようですからね」(広告代理店関係者)
好発進にキムタクも「ただただただただ嬉しいです」とコメントしたが、芸能評論家の三杉武氏は楽観はまだ早いと語る。
「高視聴率スタートとはなりましたが、初回は見ても徐々に下がっていくケースはこれまでにもあった。特に今回はフジが社運をかけており、もし右肩下がりのような状況となれば、土下座交渉をしてでも松に出演してもらいたいでしょうね」
それでも松が姿を見せることはなさそうだが‥‥。