スポーツではなぜか、福井県出身の選手が活躍する──。
WBCで侍ジャパンが3度目の日本一に輝いた。決勝戦の先発メンバー10人のうち、吉田正尚と中村悠平はともに、福井県の出身だった。福井県立大の島田洋一教授は、こうツイッターに書き込んだ。
「福井県の人口は75万人。日本の総人口1億2500万人の167分の1…にも拘らずWBC決勝の先発メンバー10人中、吉田、中村と2人(5分の1)が福井の野球少年出身…しかも2人とも体格は普通、プロ選手としては明らかに小柄である。様々な意味で大いに夢と希望を与えてくれた」
福井県人のパワーは桁違いといった印象だが、別のスポーツにも目を向けてみると、わかることがある。
自転車競技の競輪を例にとろう。昨年暮れに行われた男子のNo.1を決めるKEIRINグランプリで福井の脇本雄太、女子No.1のガールズグランプリでも福井の柳原真緒が優勝し、福井勢のパワーが炸裂した。
さらに探せば飛び抜けた運動能力を持つ福井出身者がいそうだが、なぜこれほどまでに活躍できるのか。
実は気になるデータがあるのをご存じか。「全47都道府県幸福度ランキング2022年版」(一般財団法人日本総合研究所編)の調査で、福井県が総合1位に輝いたのである。しかも同調査の14年版、16年版、18年版、20年版に続いて、なんと5回連続で「幸福度日本一」が福井県だったのだ。この結果に、スポーツジャーナリストが意外な見解を示す。
「これは仮説のたぐいになるかもしれませんが、幸福度とスポーツ界のおける活躍の、密接な関係です。やはり家庭円満で何かに打ち込める環境が、福井県にはあるのではないでしょうか。県の公式サイトでも『三世代同居・近居も多く、子どもは親や祖父母に見守られながら安心して勉強や運動に打ち込める環境があり、学力・体力の高さにつながっています』と分析しているほど。幸福度とスポーツはまったく無関係とは言えないのでは」
スポーツで成功したいなら福井県に住むべし…とは、なんとも興味深いのである。