女優・奈良岡朋子さんが肺炎のため、東京都内の病院で死去していたことが分かった。享年93。
奈良岡さんは1948年、民衆芸術劇場付属養成所に1期生で入所。50年に宇野重吉らによって創立された劇団民藝に入所し、亡くなるまで代表を務めていた。
数多くのドラマ、映画、舞台に出演し、存在感を発揮した奈良岡さんだが、その名を知るきっかけになったのが、あの国民的刑事ドラマ「太陽にほえろ!PART2」(日本テレビ系、86~87年)ではないか。
奈良岡さんは、石原裕次郎が演じたボスの栄転に伴い、新たに七曲署に配属された係長に就任。神田正輝、西山浩司、石原良純、地井武男など、「太陽にほえろ!」のメンバーが続投する中、唯一、新メンバーとして加わったのが、160万枚の売上を記録した「ルビーの指環」で知られる寺尾聡だった。石原プロ制作のドラマ「大都会」(日本テレビ系)、「西部警察」(テレビ朝日系)に出演歴があったことも、新刑事として加入した理由のひとつだろうが、
「寺尾の父親が、劇団民藝の創立者である宇野だったということもあるのでは。奈良岡さんがメインを張るドラマに、世話になった人の息子を起用する。ある意味、粋な計らいではないかと」(テレビ関係者)
宇野は88年1月9日に、肺ガンのため死去した。遅れて旅立った奈良岡さんと今頃、旧交を温め合っているのだろう。
(所ひで/ユーチューブライター)