カラコン(カラーコンタクト)業界は販売競争が激しく、宣伝が大事だと言われている。その大手販売会社の社長が、苦労話を打ち明けてくれた。
「製品が同程度の質であれば、宣伝力がモノを言います。カラコンは若い女性が購買層の中心になっていますので、女性が憧れる、誰もが知る美人タレントを、メインキャラクターとして起用していたんです。しかし、なかなか売り上げが伸びず、困っていました。いろいろな方々に相談したんですけれどピンと来なくて、お金ばかりが出ていく。このまま競争に負けて撤退しようとも考えていた時に紹介してもらったのが、渡辺直美さんだったんです。キャラが立っていて、直美さんのことを嫌いな女性はまずいない、というのも魅力でした」
2019年に渡辺直美がニューヨークと東京で生活を始めた頃に、会社は彼女をメインタレントにして勝負に出た。
「いやぁ、本当に驚きました。売上は数倍になり『直美さんの使っているカラコンを下さい』と名指しで若い子が購入していくんですから」(前出・社長)
台湾人の母親と日本人の父の間に87年に生まれた直美は茨城県で育つものの、母親は日本語が苦手だったこともあり、自ら「3歳程度の言語力だったために、授業についていけなかった」と振り返っている。
そこで、持ち前の明るさを生かそうと、吉本興業の養成所NSCに入り、芸人の道へ進むことに。これが運命を切り開くきっかけになった。当初は漫才コンビ結成を目指していたが、なかなか上手くいかず、ピン芸人で「ビヨンセ」の真似をすると大ウケ。それからは明るいキャラと、推定100キロオーバーのふくよかな体型が受け入れられた。21年4月からはニューヨークに拠点を移して頑張っている。
「アメリカのディズニーランドでロケをした際に、日本人観光客たちが『直美だ、直美だ』と騒ぎになったんです。『直美って何者?』とアメリカ人は驚いていました」(テレビ局関係者)
前出の社長が付け加える。
「実は会社の忘年会に、前触れなしに直美さんが来てくれたんです。忙しいのにそのような素振りさえ見せず、笑顔で一緒にお酒も飲みました。今までのタレントさんでこのようなことをしてくれた方はいませんから、社員たちも大喜びで、皆がファンになったんです。本当に直美さんを起用してよかったと、心の底から感謝しています」
このような気配りができるのも、彼女の魅力になっているのだろう。ちなみに4月18日にヤンキーススタジアムでのエンゼルス戦を観戦した直美は大谷の4号本塁打と盗塁を見て、NHKのBS放送にチラっと映っていた。「持ってる女」なのかもしれない。