「ニュースを見て、なぜ今なのか、20年以上も前の話なのではないのかと、驚きました」
都内バイク販売店の経営者は、そう言って苦笑した。
東京・渋谷区の路上でバイクに乗った男性に因縁をつけ、バイク用ヘルメットを奪ったとして、20歳の男ら3人が逮捕されたのだ。男性が被っていた半キャップ型のヘルメットは、内側の緩衝材にコルクが使われていることから「コルク半」と呼ばれている。
「かつて暴走族やヤンキーたちが、コルクヘルメットを被っている者を脅してバイクやヘルメット、金品を奪う事件が続発しました。さすがにもうやっているヤツはいないだろう、と思っていたんですが」(前出・バイク販売店経営者)
こうした「コルク狩り」がまた「復活」したというのか。
逮捕された20歳の男と16歳の少年2人は4月16日夜、男性会社員をおよそ70メートルつけ回し、「コルク被ってるけど許可もらってんのか」などと詰め寄って蹴るなどの暴行を加え、5000円相当のヘルメットを奪った疑いが持たれている。取調べに対し、3人は容疑を認めているという。
「実は2013、17年にも同じく『誰に許可を取ってコルクを被っているんだ。地元じゃいいかもしれないが、ここではダメだ」などと言いがかりを付けて、バイクやヘルメットを奪う事件が報じられています。かつてはコルクを被れば根性が入っているヤツ、みたいに思われていたようで、ヤンキーのステータスになっていた」(社会部記者)
今回逮捕された3人は「コルク狩り」でヒーローになった気分だったのだろうか。
「僕は『コルク半』は被りません。格好も悪いし、因縁を付けられるだけ損ですから」
さる20代のライダーはそう言うが、これが大正解なのかもしれない。