事件

千葉・陸自エリート部隊に潜んでいた「連続暴行魔」

 もしも連続暴行魔が陸上自衛隊の猛者だったら──。まるでB級コントのタイトルのような事件が実際に起きていた。自衛官の間でも「地獄」と称される訓練を潜り抜けた容疑者だというのだから、恐怖に震えるのももっともな話だ。とてもじゃないが、「ダメだ、こりゃ」なんて言っていられないのだが。

 2月8日、千葉県警四街道署は強盗・強制性交等と建造物侵入の疑いで、千葉市花見川区に住む古屋聡一朗容疑者(28)を逮捕した。古屋容疑者は現役の自衛官。陸上自衛隊習志野駐屯地(千葉県船橋市)の第1空挺団第2普通科大隊に所属する3等陸曹である。

 古屋容疑者は千葉市稲毛区で昨年9月9日夜、無職の女性(31)が1人でいるマンションに押し入った疑いが持たれている。県警によれば、女性の頸部を手で絞めるなどしてスマホと現金を奪い、刃物で脅して性的暴行を加えたとか。しかも、容疑をかけられたのは、今回が初めてではなかった。社会部記者が解説する。

「今年1月18日にも、四街道署に強盗致傷と住居侵入で逮捕されています。昨年11月、四街道市にあるマンションの一室に押し入ったのです。住んでいる無職女性(40)がインターホンに応対して玄関先に出たところを、メリケンサックをはめた拳で殴打し、現金110万円を奪ったというのです。ルフィ強盗団もびっくりの犯行です」

 ところが、勾留期限を迎えて千葉地検は処分保留に。そこで、別の警察署に被害届が出ていた冒頭の事件で再逮捕となったのだ。

「古屋容疑者は供述を拒否していますが、いずれの被害女性も面識がないことから、金目当ての犯行とみられています。相手は現役の自衛官です。女性は簡単には抵抗できない。古屋容疑者に至っては、自衛隊きっての精鋭部隊に所属する猛者なのですから、被害者が男だったとしても、簡単に組み伏せられていたでしょう」(前出・社会部記者)

 第1空挺団という名のとおり、パラシュート降下を行う部隊であることはわかるとして、なぜ「精鋭部隊」と呼ばれるのか。軍事フォトジャーナリストの菊池雅之氏が答える。

「第1空挺団が行う最大の戦術は奇襲です。車両などが侵入できない、極端に言えば敵のど真ん中に航空機からパラシュート降下して、味方の支援がないまま敵を殲滅、攪乱する、いわゆるゲリラ戦を行うのです。そのため、第1空挺団に配属されるとゲリラ戦を行う能力を身につける空挺レンジャー課程の訓練を受けることになります。これが陸自で最も過酷と言われるものなのです」

 重装備を担ぎ、わずかな食料だけで30~100キロを徒歩で行軍する訓練はあまりに有名だ。それ以上の厳しい特訓に、入隊したことを後悔する隊員が続出すると言われているほどだ。そんな難関を乗り越えて、隊員として第1空挺団に残っているだけで、すでに優秀だという。

「さらに空挺隊員として一人前と認められるには、自由降下課程を収めなくてはなりません。2つの過程を終えた隊員だけが身につけることができる2つの徽章(バッジ)が彼らの誇りなのです」(前出・菊池氏)

 そんな第1空挺団の名を世間に知らしめたのが、85年に起きた日航機墜落事件だった。前出・菊池氏が続ける。

「事故が起きたのは夜7時頃です。真っ暗闇に包まれた御巣鷹山の山中を、彼らが切り開きながら分け入ってヘリポートまで作って、生存者の救出や遺体の収容を行ったのです。有名になったがゆえに、オウム真理教事件でも第1空挺団の名前が登場します。教団幹部が軍事ジャーナリストを名乗って第1空挺団隊員の勧誘取り込みを計画し、最終的には乗っ取りまで図ろうとしていたのです」

 多くの勇猛果敢な伝説に彩られた部隊であるが、古屋容疑者は明らかに汚点を残した。前出・社会部記者によると、

「第1空挺団で28歳の3等陸曹というと、最も人数が多い年齢と階級と言われています。古屋容疑者は精鋭部隊にあって、よくて中の中、もしくは『中の下』に位置する隊員だったのではないでしょうか」

 いや、女性を苦しめた容疑をかけられた時点で、「下の下」に違いない。

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