ラーメン好きが美味しいラーメン店を調べようと思って、検索するのは何だろうか。「食べログ」か「ぐるなび」か。RDB(ラーメンデータベース)も多いのではないだろうか。
「会員の方がちゃんと投票しているので、団体票の確率は少ないし、『食べログ』よりも詳しく信用できるから参考にしています」(20代の男性学生)
このRDBがネット上に登場したのは、2005年のことだった。当時はラーメン店だけを採点するシステムで、全国にいるラーメンマニアたちがこぞって参加した。ところが大トラブルが起きてしまい、RDBが消滅の危機に晒されたことはほとんど知られていない。
RDBの創成期に参加した「ラーメンキング」氏から事情を聞くことができた。RDB上で初めて1000店の採点を記録し、レジェンドとも呼ばれた人物だ。現在は「ラーメンキング2世」という名前になっている。
「初めてRDBを見た時、書き込みをしている会員さんたちの造詣が深いので驚きました。私はラーメンブーム以前に全国のラーメンを食べまくり、ドクターストップを受けたほどのラーメンフリーク。なので、ラーメンブームの時はラーメンを控えていたんです。といっても、最低1日に1杯は食べていましたが」
RDBの初期は点数の基準がなく、会員たちに任されていたという。ところが0点や10点をつける者もいれば、100点を毎回つける者もいて、バラバラ。
「半年ぐらいして、合格点という基準が問題になり、会員たちの投票で70点が合格点と決まりました。私は60点を主張していたのですが、認められなかった。もっと大きな問題としては、採点数を稼ぐ会員がいて、一気に何百店もの採点を入れてきた事件が起きたことです。昔、採点していたメモを転載したという言い訳でしたが、これで何年前までの採点が有効なのか、という議論が持ち上がったんです」
これに対し、RDBの運営会社は会員同士の言い合いには一切タッチせず。コトの推移を見守るという姿勢だった。
「それから一人の会員が同じラーメン店の採点を何度も続けることも、大きな問題になりました。今はコンピュータが組織票だと判断すれば、カットされるようになっていますが、当時は見極めが難しかった。ですから私は一店一採点をずっと守り、同じ店の場合には前の採点を削除して掲載するようにしていました。美味しいお店の情報を上げたい。マズい店もあると教えてあげたい。そんな気持ちで書き込んできたのです」
ラーメンキング氏は、全国8000店以上を食べ歩いたという。そうしたマニアの活動が、様々な評価サイトを支えているのだろう。