社会

“土俵際”石破茂が繰り出す“安倍をうっちゃり”奇策(3)健全な自民党にするために

「安倍VS石破」の戦いがどうなるのか──。まずは、12年の総裁選を振り返る。

「最初の投票は党員・議員を合わせた498票の取り合いで、石破さんは圧倒的な地方票を集め1位になりましたが、過半数を取れませんでした。続く国会議員による決選投票で、安倍総理に逆転負けを喫した」(政治部記者)

 石破氏の党内人脈が薄いことはかねてより指摘されているが、無役となってこれを濃いものとしていけるのかが一つの鍵となる。

「石破さんは、30人ほどの横断派閥の勉強会を持っています。人間関係を作って、安倍派に距離を置く派閥と提携できるかどうかが課題でしょう」(浅川氏)

 もう一つは、元自民党の長老たちとのつながりだ。古賀誠氏(74)、野中広務氏(88)、青木幹雄氏(80)、森喜朗氏(77)という、現在、永田町にある「砂防会館」に事務所を構える「砂防会館グループ」をどう取り込めるか。

「このグループの影響力はまだそれなりに強いのです。森さんは最大派閥町村派のOBで、青木さんは経世会、つまり現在の額賀派のOBで参院に影響力が強い。石破さんがそこを取り込むことができるかどうか。前回、総裁選で石破さんの選対をやった山本(有二衆議院議員=62=)さんがキーマンでしょう。森さんとは早稲田大の雄弁会の先輩後輩の関係で、かわいがられている人物です。国会議員票は彼の動きしだいです」(浅川氏)

 苦しい戦いが予想されている石破氏だが、対する安倍総理にも越えなければならないハードルがいくつかある。

「現在の支持率は民主党政権の失政に対する反動が支えています。まず9月の改造人事が成功するかが重要です。大臣からスキャンダルが出てくると支持率が下がる。もう一つは経済です」(浅川氏)

 13日には、消費増税の影響でGDPマイナス6.8%と震災以来、大幅に落ち込んだことが発表されたばかりだ。安倍総理は「文藝春秋」9月号で、

〈経済成長こそ安倍政権の最重要課題であることを明言しておきます〉

 とみずから寄稿し、アピールに躍起だが、景気回復が起こる保証はない。

「旧来、自民党総裁には常にライバルがいて、虎視眈々と足元を狙っていました。総理になっても安心できない緊張感が自民党の活力だったのです。全員が安倍さんのイエスマンになっている現状は異常な状態です。石破さんは堂々と入閣を断って、政権構想を作るくらいのことをやるべきです。そのほうが自民党にとって健全だと考えます」(鈴木氏)

 総理の椅子を獲る石破氏の最後の戦いが始まる──。

カテゴリー: 社会   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
3
沖縄・那覇「夜の観光産業」に「深刻異変」せんべろ居酒屋に駆逐されたホステスの嘆き
4
段ボール箱に「Ohtani」…メジャーリーグMVP発表前に「疑惑の写真」流出の「ダメだ、こりゃ!」
5
巨人が手ぐすね引いて待つ阪神FA大山悠輔が「ファン感謝デー」に登場する「強心臓」