日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」に対し、厳しい声が相次いでいる。
開幕当初は、日本初となる開閉式屋根付き天然芝球場として、球場一体型のホテルや温泉施設なども備えたエンターテインメント性の高さが、情報番組などで取り上げられていた。しかし1カ月も経つと、札幌市内から遠く鉄道でのアクセスが悪い、駐車料金も高い、などのネガティブな声が目立ち始めている。
そんな状況に苦言を呈したのが、元千葉ロッテの野球解説者・里崎智也氏だ。
4月29日に更新した自身のYouTubeチャンネルではまず「どこまで本当かは知らない」としながらも、札幌ドームをホームにしていた時は、球場の看板の広告費や物販などの飲食収入が入ってこなかったことや、フィールドシート(座席)を出し入れするのも1回100万円かかり、遠征に出るたびにロッカー・トレーニング場の荷物を球場外に出さなければいけなかった、などのデメリットを指摘した。
しかし新球場を作った結果、それらの収益が入るようになったことで里崎氏は、
「利益だけで言えば、成功なんじゃないの。ZOZOマリンですら、ホーム開幕戦満員じゃなかったからね」
とフォロー。NPB公式サイトに出ている入場者数(4月24日現在)のデータを提示すると、日本ハムは9試合で平均2万3596人。これはソフトバンク、ロッテに次いでパリーグ3位だ。アクセスの悪さについても里崎氏は、西武は最寄り駅が球場の目の前であっても2万2000人(5位)だと説明した。
また広島カープは、2009年に新球場マツダスタジアムができた1年目は約2万6000人、16年からの3連覇でこれが急増した例を挙げ、日本ハムも強くなれば集客は上がるとしている。
日本ハムOBの岩本勉氏は自身のYouTubeチャンネルで、エスコンでは役員も交通整備など現場に出て、ファンのニーズをリサーチしている、と明かしている。球場としての課題はまだあるだろうが、まずは新庄剛志監督が最下位のチームをどこまで上げられるかにかかっている。
(鈴木十朗)