開幕からスタートダッシュに失敗した巨人は、4月を借金3で終えている。
振り返れば、故障の菅野智之に代わって開幕投手を任された新外国人のビーディは5戦勝ちなし。チーム防御率はリーグ最下位の3.94だった。先発でアテになるのは戸郷翔征ぐらいで、中継ぎは勝ちパターンも負けパターンも同じような顔ぶれが登場し、役回りがはっきりしない状態が続いた。スポーツ紙デスクが言う。
「打撃面では、状態の上がらない坂本勇人に合わせてコロコロと打順が入れ替わり、不安定さを露呈。しかも盗塁はたったの2で、数少ない足のある選手がランナーに出ても動かず、残塁の山を築くばかり。最下位争いも頷けます」
巨人が借金生活で4月を終えたのは、実に11年ぶりのことだ。ただ、その2012年はリーグ優勝、そして3年ぶりの日本一になっている。
当時は2度目の原監督体制の7年目で、4月を終えた時点で借金4。DeNAと最下位を争っていたが、5月に入ると投打が噛み合うようになり、5月13日には借金を完済した。そのままの勢いで6月10日には貯金10とし、一度首位に立つと、7月以降も好調をキープ。最終的には2位の中日に10.5ゲーム差もつけたのである。
「FAでソフトバンクから杉内俊哉、DeNAから村田修一が加入し、戦力的には死角ナシと言われていました。ところがフタを開けてみれば、4月は2度の5連敗を喫するなど、貧打に喘いだ。そこで3番・長野久義と1番・坂本勇人を入れ替えたことが大当たりし、得点力が一気にアップしたんです。ただ、今季との大きな違いは、投手陣。内海をはじめとする先発4本柱がしっかりと働き、リリーフ陣も山口鉄也がフル回転するなど鉄壁で、シーズン防御率は2.16とリーグ断トツだった。なにより中継ぎは、勝ちパターンと敗戦処理ですみ分けができていました」(前出・スポーツ紙デスク)
5月の反転攻勢は、投手陣の整備がカギを握ることになる。