日本も韓国もダメ野党のおかげで、政権は助かっているようだ。
韓国の最大野党「共に民主党」の李在明代表は5月7日の日韓首脳会談について、尹錫悦政権の「対日屈従外交を正す最後の機会」と位置付けた。韓国では「徴用工」や「慰安婦」の問題が下火になっており、「共に民主党」をはじめとする反日勢力は次なるターゲットとして「フクシマ」を持ち出している。
尹大統領は首脳会談後の共同記者会見で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出計画に関し、韓国の専門家らによる視察団の現地への派遣に合意したと明らかにした。「共に民主党」が「早ければ汚染水は7カ月後に韓国沿岸に来る」とのデマを流していることを意識しての対応とみられる。「共に民主党」内からは「(日本が)汚染水を放出しようとしたら、韓国の軍艦を派遣しなければならない」という噴飯モノの意見まで飛び出しているのだ。
「共に民主党」の国会議員ら4人は4月上旬に訪日し、福島県を訪れた。東京電力などとの面会を断られ、「ふくしま共同診療所」関係者と会った。この診療所は公安当局から「中核派系」の医療機関として認定されている。
「ヒゲの隊長」こと自民党の佐藤正久参院議員は、李代表の発言について、自身のツイッターで「事実を事実として見る勇気を韓国は持たないといけない。何でも反対は三流政治」と批判した。韓国内でも尹政権の支持率は低くとも、「共に民主党」が日本のかつての社会党のように、反対のための反対政党になっているため、野党に任せられないという空気が強いという。日本で野党第一党の立憲民主党が低迷しているのと似た状況だ。
ただ、韓国では反対運動にいったん火が付くと、収拾がつかなくなることがある。2008年のBSE(牛海綿状脳症)問題でも、まともな検証がないまま、輸入反対デモが連日、数万人単位で繰り広げられた。「フクシマ」問題は対応を誤ると、BSE騒動と似たような状況が再現されかねない危険性をはらんでいるのだ。