多額の金銭が賭けられる公営ギャンブルでは、八百長防止のため、騎手による通信機器の使用に関しては、厳しいルールが定められている。だが実際のところ、地方競馬では「八百長」が横行していたというのである。「クレイジージャーニー」(TBS系)で知られる危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレス氏のYouTubeチャンネルに5月6日、元川崎競馬騎手の瀧川寿希也氏が出演し、衝撃の暴露を行ったのだ。
瀧川氏は、あくまで現役時代の話であり、競馬法では時効を迎えているとした上で、次のように明かした。
八百長は主に騎手同士で話し合い、その情報は馬主に流れる場合が多い。リーダー格の騎手から「3着以内に来ないように」と話をもちかけられた騎手は、2~3万円を受け取る。当時、6着以下でも1鞍6000円強の騎乗手当だったので、割は良かった。
また、当時は調整ルームに携帯電話を持ち込める環境だったそうで、入り口ではダミーの携帯を預けてごまかしていたのだとか。
インターネットで「地方競馬 八百長」と検索して出てくる疑惑のレース動画は「全部、大体やってますよね」としていた瀧川氏。現在は八百長はなくなったと思いたいが、はたしてどうなのか。
携帯電話持ち込みの規約違反といえば、JRAでも先日、由々しき事態が発覚している。JRAは5月3日、若手騎手6人を5月13日から6月11日まで、30日間の騎乗停止処分にしたと発表したのだ。
外部との接触が禁止されているレース開催中の競馬場で、持ち込みが禁止されているスマートフォンを使って通話したことによるもので、6人のうち5人が女性騎手。その中には女性の年間最多勝記録を昨年のルーキーイヤーにアッサリと更新した、19歳の今村聖奈も含まれていた。
6人は騎手控え室や調整ルームでスマホを使い、JRAのサイトで騎乗する馬の人気や過去のレースの映像を確認していたほか、騎手同士でレースの結果などについて会話していたという。
JRAでもこんな実態が明らかになると、川崎競馬同様、信頼性に疑義が生じてくるのである。
(鈴木十朗)