戦闘が続くアフリカ北東部スーダンから、新たに邦人2人が国外に退避したことが、5月8日に判明した。
スーダンでは、軍と準軍事組織が停戦の延長で合意した後も武力衝突が続いているが、戦闘の長期化により「炭酸飲料が飲めなくなる」という意外な影響が影を落としている。食品ジャーナリストが語る。
「スーダンの主要輸出品のひとつに『アラビアガム』があります。アカシアの木から産出され、コーラなどの炭酸飲料や化粧品の原料としても使われており、世界シェアの約70%をスーダン産が占めている。代替品がほとんどないことから、戦闘が長引けば製造に影響が出ることは間違いない。今のところメーカーからは何のアナウンスもありませんが、海外の飲料メーカーでは3カ月程度で備蓄分が尽き、一気に品薄状態になるとの見方があります」
アラビアガムはビールやワイン、チョコレートをはじめとした菓子、パン類などにも使われ、用途は幅広い。どれも生活必需品ではないが、関連メーカーにとっては死活問題につながりかねないだけに、事態の好転を祈っていることだろう。
(ケン高田)