いまやその規模は9兆円以上とも言われているインターネット通販。
「買ったら蟹がスカスカだった」
「頼んでいないものを送りつけられて、料金を請求された」
などの騒動こそ起こってきたものの、その手軽さ、利便性の魅力は実に大きく、着実に市場を拡大し続けている。
そのため近年、一人でも多くのお客に買ってもらって定着してもらうべく、サイト側の“お客様争奪戦”がヒートアップしているというのだ。
8月31日の0時から74時間にわたって開催される、日本最大級のインターネットショッピングモール「楽天市場」の「楽天スーパーSALE」でも、購買意欲をかきたてられる商品、プランが展開され、顧客獲得に向けた戦略がちりばめられている。
開催されるたびに大きな話題を集めるこのセール。日用品から衣類、家電、食品、自動車にいたるまで、お買い得な商品が多数用意され、なかにはなんと通常の半額以下で買えるアイテムまで登場するのだ。また、買った商品の店舗数によって楽天カードのポイントが最大で10倍に。その他の条件をクリアすれば、さらに最大で20倍にもなるなど、通販マニアのみならず、一般の主婦、サラリーマンなど、性別も世代も超えた全方位対応の一大ショッピングイベントなのだ。
現在予定されているタイムセールの目玉商品をいくつか紹介しよう。
通常価格52万5000円(税込、以下同様)のロレックス腕時計が半額の26万2500円に。BMW116iが新車で通常価格317万円のところ158万5000円と、こちらも半額だ。エルメスのバッグ「ボリード」も通常価格87万4800円から半額の43万7400円になる。
これらの商品はいずれも出品数が「1」なので激戦必至だが、複数出品の注目アイテムも多数用意されている。
麦焼酎の傑作「百年の孤独」が7776円から3888円に(在庫20本)。ゴルフ好きな人に向けて、ゼクシオ8アイアン8本組が13万3056円から6万6528円に(在庫30セット)。松阪牛ロース900グラム×5枚が3万1019円から1万5510円というこの商品は、なんと在庫が100セット! 江戸前寿司の名店「銀座久兵衛」の1万円分の食事券にいたっては驚愕の料金、1000円で買えるのだ(在庫30枚)。
ほかにも早い者勝ちにならないように、応募者全員から購入者を抽選する商品として、TOYOTAハリアーの新車、ソニーのブラビア65V型液晶テレビ、ミニクーパー、エルメスのバーキンが予定されており、いずれも半額で買えることから、高倍率になることは間違いない。
さらには驚くなかれ。抽選で1名に、楽天不動産で購入した家の価格の半額、最大2000万円までがキャッシュバックされるというキャンペーンも行っているのだ。
「ニーズに合った商品を、希望以上の安値で提供できれば、お客は付いてくる」
もちろんそれが商売の鉄則だが、ネット通販市場は苛烈を極めている。一日の訪問客数では楽天を上回るアマゾン。コンビニ店舗とネット通販を生かした販売戦略を持つ日本最大の小売企業、セブン&アイ・ホールディングス。昨年、「ヤフーショッピング」の出店料と手数料を無料化したヤフー・ソフトバンク──。楽天の周りには多数のライバルが存在し、日々“お客様争奪戦”を繰り広げているのだ。
それゆえ、サービス合戦も終わりなき戦いであるならば、利用者にとってはこんなにありがたいことはないのだが。
楽天スーパーSALE